「パートナー婚解消訴訟」に対する私のコメント
この報告者はまだ法学部の学生さんであり、自分のことを「頭の悪い私の意見なので、真に受けないで下さいね」と書いています。しかし、どの世界でも、たとえ稚拙であったとしても、若い世代の意見のほうが格段にフレッシュです。
「これからの日本の婚姻という制度への批判として、また、意見として、新ためてみんなに考えさせる重要な事件であったと思う。」
この感想だけでも時代が動くのが感じられます。
この報告ブログに対して、次のようなコメントがありました。
「子どもまでいるのにこの結果はなんだか厳しいなぁ〜と思いました。確かにこの判決は現代にちょっと合ってないかも?って思うところがありますね。」
南山法科大学院の町村教授は、「Jugement男女関係の一方的破棄に不法行為認めず」(2004/11/20)で、「最高裁の平成16年11月18日 第一小法廷判決は、新しい男女関係の趣旨を尊重したものといえるかもしれない。」と書いています。
同じ判決について、一方は時代に合っていないと言い、もう一方は“新しい男女関係の趣旨を尊重したもの”と言う。しかも町村さんは私をジェンダー論の研究者と誤認し、この裁判がフィールドワークないしはプラクティスという位置づけかもしれないと誤解していました。
この事件の抱える問題の深さを、当事者だからこそ人一倍理解しているつもりの私は、素直に報告できるこの学生さんに好感がもてましたが、この人は、法曹界には進まないのだそうです。残念ですね。