記事一覧

 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

大学教授はとても女に向いた職業なのに

 昨日、次のような記事が出ていた。9年前富山大学の助教授に決まって最初の教授会で紹介されたとき、団体保険の説明に来た生保のセールスレディと間違えられたことを思い出した。
 研究の継続を困難にさせるものは「出産」や「育児」。いつの間にか「結婚」は消えたのだな・・。一昔前は、女は男(夫)の世話をしなければならないことも足枷だったはず。


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 研究者の女性比率11%、欧米下回る・男女共同参画白書

 政府は27日の閣議で、2005年版「男女共同参画白書」を決定した。大学や研究所に在籍する研究者に占める女性の割合は11.6%で、欧米主要国の20―30%に比べて低いと指摘。出産や育児などで研究の継続が難しいことや受け入れ態勢の未整備などを理由にあげ、育児支援策の強化などによる労働環境改善の必要性を強調している。
 白書によると、人文・社会科学などを含む女性研究者の割合は米国が32.5%、フランス27.5%、英国26%。日本は増加傾向にあるものの、欧米の主要国を依然として大きく下回っている。特に理工学や農学など自然科学系の分野では女性教授の割合が少なく、工学の場合は1.2%にとどまっている。このため白書は女子学生の理科系離れに歯止めを掛けることも提唱した。
[2005年5月27日/日本経済新聞 夕刊]


年収350万で優雅な生活?

 女子大生の間で、専業主婦願望が高まっているという記事が日経新聞に出ていた。専業主婦になりたいと言っている慶応、早稲田、学習院の女子大生のコメントが紹介されていたことを私のゼミ生に話すと、「早慶まで行ってるのに考えられへん。勉強しすぎて社会に出る前に疲れてるんやわ。」と怪訝そうな顔をした。
 ラクなほうを選びたいという気持ちはわかるけれど、「学習院大を卒業し現在、銀行に勤めるB子さん(24)は、3年ぐらいで辞めて専業主婦になりたいと考える一人。目下、年収700万以上の男性が参加するお見合いパーティーなどに顔を出し、経済的に安定した結婚相手を探している。」には驚いた。2人で700万、÷2で1人350万。「年収300万円時代を生き抜く法」っていう本は、貧乏でも楽しさを見出そうというコンセプトだったはず。子どもができると、÷3、÷4とさらに分母が大きくなるのに。

 東京でしかも賃貸住宅やと、優雅に趣味なんか楽しめるわけがあらへん。幻想やわ。

 きょう、講義のあと、3年生が私に声をかけてきた。「女を優遇する企業はどうやって調べるのでしょうか。子どもを産んだらやめなきゃならないなんて、やってられへん。」

 京女(きょうおんな)はたくましい。仕事への意欲は、勉強の偏差値とは比例しないようだ。早慶を出て3年ぐらいで仕事をやめるのなら、もっと学力は低くてもやる気のある人に、そのポスト譲ってあげたほうがいい。

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        記事全文
 女子大生中心に強まる専業主婦願望――優雅に趣味楽しみたい、仕事と家庭の両立難しく

 女子大生を中心に、若い女性の間で専業主婦を夢見る人がじわりと増えている。あこがれは料理や掃除など家事をこなしつつ、お花など趣味も楽しむちょっぴりゆとりある生活。「くたくたになるまで働き、趣味も持てない」キャリアウーマン的生き方はしたくない。バランスのとれた働き方が難しい今の社会が、彼女たちをそんな気分にさせるのか。

 「最近、受講生にアンケートをとったら、半分は専業主婦希望だった」。都内の私立女子大でジェンダー論を教える教授の話だ。「以前は社会に出る意欲を持ってもらうため『多様な生き方がある』と示せばよかったが、最近は『リストラ懸念もあり、夫だってどうなるか分からないのだから』と直球でアドバイスしないといけない」と学生気質の変化を明かす。
 慶応大4年のA子さん(23)が思い描くのは「卒業後すぐに結婚し25歳ぐらいで出産。料理を作って夫の帰りを待ち、フラワーアレンジメントなども楽しむ」生活。
 すでに大手企業から内定をもらったが、子どもができたら辞めるつもりだ。そのわけは「キャリアウーマンは趣味の時間が持てず、本当に豊かな生活は送れなさそうだから」。最近、頻発する少年犯罪のニュースをみるにつけ、なるべく子どものそばにいたいという思いも募る。「自分にとっての自己実現は仕事よりも子育て」とA子さんは言う。
 昨年、学習院大を卒業し現在、銀行に勤めるB子さん(24)も、3年ぐらいで辞めて専業主婦になりたいと考える一人。目下、年収700万以上の男性が参加するお見合いパーティーなどに顔を出し、経済的に安定した結婚相手を探している。「(若さの)価値が残っている今のうちに頑張っておきたい」
 
 こんなデータがある。内閣府が2004年秋に実施した調査だ。年齢別に「女性が職業をもつことについて」の考えを聞いたところ、20代女性は「ずっと続ける方がよい」が44.9%と最も多かった一方で、「子どもができるまで」、「結婚するまで」と答えた人もそれぞれ10.7%、6.7%と70歳以上を除く他の年齢層より高かった。
 データから読み取れるのは、高まるキャリア志向の一方で、専業主婦志向も台頭しているという二極化だ。家族社会学が専門の山田昌弘東京学芸大教授は「ここ5、6年で従来、キャリアを目指す女子学生が多かった大学でも専業主婦願望が強まり始めた」とみている。
 雇用の流動化やなお続くリストラ懸念などから、夫の収入だけに頼るのはリスクが高まっているいま、なぜなのか――。「労働時間が長くなりバリバリ仕事をするのは大変なうえ報われない、というイメージが強まっているのが一因」と山田教授は考える。「今の若い世代は『ラク』がキーワード。社会に出て活躍することにさほど希望が持てない追い込まれた状況下で、専業主婦に夢を見いだしているのでは」というわけだ。
 女子大生側の心理の変化だけではない。専業主婦に対するイメージの変化もあるらしい。
 「最近の女子大生の母親世代の中には、自分の趣味や海外旅行などを楽しんでいる専業主婦も少なくない。おまけに雑誌を開けば、高級住宅地に住み、昼はレストランでランチを楽しむセレブ主婦を目の当たりにさせられる時代。“ガラスの天井”がある社会の現実より、専業主婦の方がずっと楽しく映るのだろう」。立正大の宮城まり子助教授(心理学)はそう分析する。
 「自己犠牲」や「所帯やつれ」といったネガティブな専業主婦像は、最近の女子大生の間ではめっきり薄れている。

 働き続けるうちに、気が付けば「30代以上、未婚、子なし」の状態に。こんな「昨今の『負け犬』論争が追い打ちをかけた」と精神科医の香山リカさんは指摘する。実際、先のA子さんやB子さんも「負け犬」という言葉がメディアをにぎわすようになってから一層、「早く結婚し、家庭に入るのが幸せでは、と考えるようになった」と打ち明ける。
だが、現実は甘くはない。社会からの疎外感から行き場をなくし、精神科クリニックの扉をたたく40代の専業主婦が目立つからだ。
 男女平等の教育を受けてきたのに、家庭では嫁としての役割も求められる。子育てが一段落し、仕事をしたいと思っても限られた職しかない。夫にも不満がたまるが、一人で暮らす自信もない。そんな葛藤(かっとう)を抱える専業主婦はごまんといる。
 「楽に見えるからと専業主婦を選び、後でひずみが出る人もいるのでは」と香山さんは若い女性の専業主婦願望に警鐘を鳴らす。
 バランスのとれた働き方でキャリアを積むのが難しい状況は社会にとってもマイナス面が大きそうだ。
 早稲田大3年のC子さん(20)は大学院に進むつもりだが、「自分には両立は難しそう」という理由で「結婚したら専業主婦になりたい」という。
 宮城助教授は「環境が整わないために能力のある女性が社会に出ないのはもったいない話。働き方の見直しとともに、中学、高校から女性としてのキャリアプランについて考える機会も作るべきだ」と指摘した。
[日本経済新聞 2005年5月10日]


スーパーなファミリー

 高校時代の親友Mさんと1年ぶりに食事をした。

 Mさんは今京都のS病院の眼科部長。彼女は留学先のボストンから帰国して、6年ほど前まで佐賀の病院に勤めていた。「九州はホントに男尊女卑。「女なんて頼りない。男の医者に替わって」とよく言われたけど、京都では、女だからどうのこうのと言われなくなって仕事がしやすくなったわ。」「でもね、東京に出張に行くと、女医であることをウリにしている医院の広告をよく見かける。東京では女であるほうが得になってきているよね。京都は中間っていう感じ。」

 そういえば、私が通っているT病院の産婦人科など、女の先生たちは軒並み1時間30分待ちで、男の先生たちの診察室は閑古鳥が鳴いている。「女の先生たちは予約でいっぱいです。お待ちいただけないのなら、男の先生にしてください」と受付の人が患者さんたちに言っている。

 Mさんは京大医学部を出ていて、夫は京大医学部の一学年先輩である。息子と娘は東大の理1と文3の学生である。

 彼女が医局に入った頃、女性は外科には入れなかったという。「私たちの頃は男女機会均等法の前だからね。息子と娘を比べると、女の子のほうがより自由に仕事も選べるし、人生も楽しめるようになっていると感じている。」

 なぜマスコミはこのスーパーなファミリーを取材しないのだろう。


変われば変わるもの・・・

 娘が入学した高校の制服のお披露目にやってきた。なかなか似合っているけれどスカートがやけに短いな。いろいろと話をした。

 「お母さんとSさんは2001年の9月に知り合ったのでしょ。私と彼氏は2001年6月から。子どもにしては長く続いているでしょ。」「高校は別々。チャリンコで10分ぐらいの距離だけど、2週間に一度ぐらいしか会わないよ。だって毎日なんか会っていたら新鮮じゃなくなるじゃん。」

 私は30代の頃同じようなことをよく言っていた。「会うのは1週間に一度で十分。一緒にいたら二酸化炭素が増えるじゃない。」長女の父親とは1週間に一度で十分と思った私が、現在のパートナーSさんとは互いに時間を調整してできる限り多く同じ屋根の下に居ようと工夫をしている。変われば変わるものだ!

 幼い頃はただ安全に生存してくれればそれだけでいいと思っていた。これからの10年はできる限り時間をみつけて彼女をサポートし、社会に送り出したいと思っている。

 Sさんと3人で早稲田の博多ラーメン屋「一風堂」に行った。先月の高級フレンチよりずっとおいしそうに食べていた。ラーメン850円とフレンチ12600円なんだけど・・・・。


上告費用はボーナス払い?

 パートナー解消婚訴訟に対する最高裁の判決は、「原判決のうち上告人敗訴部分を破棄する。前項の部分につき,被上告人の控訴を棄却する。控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。」である。


 裁判に負けた私が相手側に何某かの慰謝料を払わなければならないと勘違いしている人もいるようだけど、相手の男性は弁護士を立てなかったので(本人訴訟)、裁判で負けたことによって私が支払わなければならないのは、相手の男性の上告費用のみである。

 辣腕弁護士でも立てていれば、ラクができたうえに、私に多大な出費という痛手を負わすことができたのに。ケチると損をするし、時間をつぶす・・・。

 判決日から5ヶ月以上経った。でも、最高裁から支払い催促の通知もまだない。判決の翌日、あるまとまったお金で始めた投資信託の利益だけでも今月上告費用を上回った。目標達成!!

 裁判の迅速化なんて本当に進んでいるの?


休業できない男たち

 男性の育休助成、利用ゼロ 2年間、04年度で廃止
 男性社員が育児休業を取った企業に奨励金を支払う国の助成制度の利用が、2003年度の導入以来、2年間で1社もなかったことが21日、分かった。この制度は少子化対策の柱の一つとして始まったが、同年度の男性の育休取得率は0・44%と、男性の取得がまったく進んでいない実態を反映、04年度で廃止された。
 厚生労働省は03、04年度で計528社への支給を見込み、計3億7000万円の予算を計上したが、この奨励金ではなく別の少子化対策の助成金給付などに使われた。
 廃止された育児休業取得促進奨励金制度は、男性社員、女性社員それぞれ1人以上が育休を取得することなどを条件に、申請によって、1企業1回に限り70万円が支給される。
 申請した企業はあったものの、男性の育児休業の実績がなかったため、認められなかった。
(共同通信) - 4月21日17時40分更新

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男たちが休業できないのは、収入減になることもあるけれど、そもそも職業人として転落してしまうからからだ。普通の男性サラリーマンがおいそれと休めるわけはない。その現実の裏には、多くの女が出産や子育てによって職業人として転落してきたという事実が隠されている。

意欲や能力があるのに出産や子育てで仕事をやめたり、中断しなければならない女性。反対に、たとえ意欲も能力もなかったとしても「男」というだけで仕事をやり続けなければならない男性。どちらがより深刻かどうかはわからない。


珍しくもない「旧姓使用願届出」

 毎月一回配布される京都女子大の学園報に「旧姓使用願届出」の報告が出ている。大学はまだまだ女性の多い職場ではないし、毎月結婚する人が大勢いるわけではないのにかなりの頻度である。きょう配布された4月20日付の同報にも女性の教授と、女性の特任実習助手が旧姓を使用すると書いてあった。そろそろ夫婦別姓選択制が認められてもいい頃ではないかなと思う。私は夫婦別姓選択制が導入されても婚姻届を出す気はまったくないけれど・・・。


 声楽家のMさんは結婚し、旧姓であるMを使っていたが、離婚をしてMに戻った。その度にこの学園報に「旧姓使用願届出」と「改姓届」の報告が出たという。ずっと同じ名前でやっているのに、これって、個人情報の露出ではないですか。


お気に入りの一言

 耐えられない疲れというものは、もう1つのより強い疲れによって癒される。疲れ(ストレス)は休暇によって癒されない。(イヴ・シャンピ)

 ひどい難事にめげそうになると、もっと大きな苦しみが押し寄せてきて、それ迄の悩みを「なーんだ、あれしきのこと!」と笑ってくず箱に捨てることができます。人生って気持ちが作ってゆくものではないでしょうか。(岸恵子)


一世代で常識が覆る

 新しい年度が始まった。
 どこの大学でも授業料が払えない学生が増えているという。父親のリストラや病気によって生活苦に陥り、預貯金を取り崩すか、祖父母や親戚から援助してもらってなんとか入学に必要なお金は工面できたが、後が続かないという学生たちが少なくないのだ。

 生活が貧困なのは離婚や死別による母子家庭と思う人が多いだろう。しかし、私が知る限り、授業料が払えない家庭のうち一番多いのは「働き手の父親と専業主婦の母親」という組み合わせで、父親が病気かリストラによって失業に陥ったケースである。親は40代後半から50代。男はまさか人生の途中で失業するとは思ってもみなかっただろうし、女は夫の収入は必ず右肩上がりになると信じていたはず。

 何の疑問も持たずに女が結婚退職、出産退職して、「男が社会で働き、女が家庭を守る」という当たり前の生活を選んだにすぎないのに、自分たちが中年になったときにこんな状況になることを予想していただろうか。

 ちょうど私が高校生だった頃、「婚期が遅れるから、女は短大ぐらいにしておきなさい。」と一世代上の人たちが言っていた。京都大学に90名ほど合格する進学校に通っていた私は、直接そういうことを言われたことはさすがにないが、今存続があやしくなっている短大は非常に多く(私が勤める大学の短期大学部は安泰らしいが)、母校がなくなる可能性も高いということになる。

 当たり前の選択や当たり前の人生設計、常識までもが一世代で覆る。一つ一つ自分でよ~く考えなきゃ。

 リストラに遭った中年男性がより条件のよい職に就く可能性も、長いブランクのある中年女性がある水準以上の収入のある仕事につける可能性も限りなく低い。

 でも人生はこれからも果てしなく続く。


高校合格祝いにフランス料理

 フランス料理店「シェ松尾 青山サロン」に娘と行って来た。高校の合格祝いだというのに大人っぽく見えるので、ウェイターからワインを勧められた。フォアグラやキャビアはあまり口に合わず、彼女にとってまさに珍味だったようだ。

http://www.chez-matsuo.co.jp/rest/aoyama.html

MENU DE SPECIALITE DU CHEF
~シェフのスペシャリテ・コースディナー ~
Course dinner recommended by chef
Amuse Gueule, Entrees ( Deux Plates ), Poisson, Sorbet,
Viande, Dessert, Petits fours, Cafe
向付、前菜二品、魚料理、お口直しのシャーベット、
肉料理、デザート、小菓子、珈琲
Two dishes of appetizer, fish, sherbet, meat,
dessert, sweets & coffee