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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

「自分本位で身勝手」という検索語

 8月12日
 「自分本位で身勝手」とグーグル検索すると、私が書いた文章が現在1番目にランクされます。「自分本位で身勝手」という検索語で私のこの文章にたどり着いた人がいることをアクセス解析で知り、試してみて発見しました。
 「自分本位で身勝手」・・こんな漠然とした検索語でこの人は何を調べたかったのでしょうね。。男に「自分本位で身勝手」な態度を取られた女の人なのかな。。

 なぜ「自分本位で身勝手」で私の文章がヒットするのかというと、、

 「自分本位で身勝手なところがあると評価しうることからすれば(これは筆者の評価である)、」という、専修大学法科大学院教授の良永和隆さんが「婚姻外の男女関係(パートナーシップ関係)の一方的解消」 (Hi-Lawyer 2005 5 p.71~73)で書いたコメントを引用しているからで、良永和隆さんが自分本位で身勝手なところがあると評価したのは、私の行動に対してです。

 良永さん本人なのか、良永さんの仕事について調べている人なのか、わからないですけど、「良永和隆」で検索して、同じページに入ってきた人もいました。
 
 ちなみに、近頃パートナー婚解消訴訟のサイトに入って来る検索語で最も多いのが「準婚理論」。 
 アクセス解析をしていると、人々がどういう言葉や事柄に興味を示しているのかがかわり、とてもワクワクします。

 茂木健一郎さんは、『フューチャリスト宣言』(ちくま新書)の刊行記念の対談で次のように語りました。

 「インターネットそのものに対して、あるいはグーグル的なものに対して、ポジティヴにとらえるかネガティヴにとらえるかということが、今、『リトマス試験紙』になっているのではないでしょうか。それは、『自民党に投票するか民主党に投票するか』ということより、『憲法改正に賛成するか反対するか』ということよりも大きな、哲学・世界観の差になっているのではないでしょうか。
 
 最近、この哲学・世界観の差を実感することが多いです。私はあくまでもポジティヴにとらえ、ワクワクしていたいです。


睡眠にも人それぞれのリズムあり

 8月2日
作家の平野啓一郎さんが、生命科学者の上田泰己さんとの対談で、上田さんの「体内時計は遺伝子でできていて、遺伝子は人それぞれですから、体内の時間も個人差があると考えられています。」という発言に続いて、次のように言っていました。(「理研サイエンスセミナー」

 「僕はさんさんと降り注ぐ太陽の下よりも、カーテンを閉めて電気をつけている方が仕事をする気になるんですね。この何年間は1日6時間睡眠ですが、別に会社員じゃないし、何も24時間単位で生活しなくてもいいだろうと1日を12時間ずつに分けたことがあるんです。3時間寝て9時間働き、3時間寝てまた仕事をするというように。」

 「12時間生活は2ヵ月位続き、仕事も効率よく進んでいたんですが、取材が入ったりで徐々に崩れてしまって。今度は「眠くなったら寝る」という生活を試みました。毎朝出勤する必要のない仕事をしている人たちのタイムサイクルを見ていくと、社会の時間と個人の時間のズレみたいなものが見えてくるんじゃないかという気がします。」

 大学が夏休みに入った先週から、なるべく午前中は用事を入れないようにして、私も自分にとって自然な睡眠リズムを作ってみました。


 3時間寝て、
 次に眠くなるまで活動して(必ず何かを食べる)、
 目覚ましをかけないで続きの睡眠をとる。
 そうすると、大抵3.5~4時間後に目が覚める。

 これが私にはなかなかいいのです。

 合計睡眠時間は6.5~7時間。
 授業がある期間よりおよそ1時間多く睡眠をとっているうえに、2回に分けたそれぞれの睡眠は結構深い。
 寝てから3時間で目が覚めて、後2時間ぐらいは寝なきゃと焦って、うとうとしたかと思うと目覚まし時計の音で起きる、といういつものパターンよりもずっと健康的です。

 睡眠にも人それぞれのリズムあり。早寝早起きは私には向いていないです。


募金の力はすごいです

 7月15日
 児童音楽Ⅰの授業を手伝ってもらっている声楽家、井尻有香先生が今年度(前期)で辞めることになりました。
「来週の授業が最後の授業になってしまうので、みんなで「ありがとうございました!」って挨拶してね」と2年生に伝えたところ、みんなが100円ずつカンパしてフラワーバスケットを買い、当日の私の授業で色紙をまわし100名以上の寄せ書きを作って井尻さんに渡しました。
 こうした団結力って関西独特というか、京都女子大学の児童学科独特のもの。他大学から来た先生や多くの大学で教えている先生は京女は授業がやりやすいと口々に言いますが、特に児童学科の暖かさとざっくばらんさ、真面目さのバランスは奇跡的です。

 一万円のフラワーバスケット、圧巻でした。

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 みんなで記念撮影 ▲クリックすると拡大します▼


食べ物はどこに消えた?

 7月3日
 このノートブックを更新したいのですのですけど、睡眠時間も大事。両方を天秤にかけて寝てしまう日々が続いています。
 この間、4年生のN嬢から、「大食いのなのに、深見さんが痩せているのは、喋りすぎているのか、脳をフル回転しているか、どちらかですよ」と冗談交じりに言われました。彼女は、卒業研究で水分の代謝について取り組んでいます。
 喋りすぎ? 大学の先生たちは大抵私以上におしゃべりですよ。
 脳をフル回転している?  もしそうだとしたら、フル回転してもこの程度の仕事量しかできないことになる。お先真っ暗です。
 ちょっと「ギャル曽根実験」をしてみました。
 先週の土曜日の夜、食べ放題の「はーべすと」に行って、限界まで食べました。家に戻って体重を量ると48.4kg。満腹だったのですが、夜遅くまで起きていたらお腹がすき、パートナーのSさんが買ってきた「赤福」を3つ食べて、そして睡眠。。日曜日の朝、帰宅後ちょうど12時間後にまた量ると47.4kg。
 1kgはどこへ行ったのでしょう。
 たらふく食べて、寝る前にも食べて、お腹がすいてくると睡眠が浅くなるので(たぶん学説では、満腹だと睡眠が浅くなるはずだと思います)、夢遊病者のように起きて食べてまた寝る。けれど、朝、起きると、食べたものはすっかりどこかに消えています。
 なんだか勿体無いです。。
 
 


父親・母親でこうも違うワーク・ライフバランス

 6月15日
 AERA2008年6月16日号に、薬害肝炎訴訟に関わってきた弁護士、鈴木利廣さんに関する記事が載っていて、そのなかに、次のような一文がありました。(文 江川紹子)

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 ただし、忙しくても家庭や地域との関わりもないがしろにはしない、という点では先輩人権派弁護士たちを反面教師にしている。
 二人の娘が子どもの頃には、週に2度は夕飯を共にするように心がけ、娘の誕生日には仕事に入れない。娘も学校を休み、一日中一緒に遊んだ。子どもと遊ぶのも全力投球。回転物が苦手なのに、娘にせがまれて遊園地のコーヒーカップに乗り、一足遅れて妻が到着した時には、真っ青な顔をしてベンチに横たわっていたこともある。・・・・(原文ママ)
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 私はこれを読んでため息が出ました。もし父親ではなく、母親だったらどうでしょう。社会は、週に2回しか夕飯を共にせず、娘の誕生日以外は仕事を入れる母親に対して、家庭をないがしろにしていると非難すると思います。
 この鈴木さんが女性の人権派弁護士だったら、果たして、江川さんは同じように書いたでしょうか。おそらく書かなかったでしょう。

 真っ青な顔をしてベンチに横たわっている母親に対して、まだまだ社会は“勝手に目を廻してろ”という視線を浴びせます。熱心に子育て支援をやっている人でさえ、ベンチに横たわっている母親に対して、“休んでいると目が廻るのがおさまります。休んで廻りに甘えましょう。”とは言いますが、自分の体調を優先させて遊園地のコーヒーカップに乗らない母親を容認はしないです。江川さんには、社会のそういった矛盾(これって、最近忌み嫌われている言葉ですが、やっぱりジェンダーの問題なんですよね。。)に切り込んでいく文章を書いていってほしいです。

 ・・・と私がいうと、「最高裁・パートナー婚訴訟の原告」として私をみる人は、「らしい発言だなぁ」と思うでしょう。しかし、私を知る多くの人は、洋服とピアスを必ずお揃いにし、いつも笑顔で仕事をする私と「最高裁・パートナー婚訴訟の原告」がそもそもかぶらないはず。

 得体の知れない、想像を超えた面を持っている人ほど面白いのですよ!


声を守らなくては?

 6月12日
 珍しく早起きしたら風邪をひき、咽喉が痛いです。早起きは私にとって「三文の得」ではなく、「三文の損」で、健康に良くありません。咽喉が痛いというのに、きょうは90分の授業が4コマ連続+学生たちと歓談。
 マスクをして苦しそうに歩いていると、友人で声楽家のHさんが、ボイスリッチという薬がいいよ、と教えてくれました。
 効くのかな???


点数化する社会

 6月10日
 昨日、私の音楽教室の生徒のママ二人と、ランチに行きました。
 私にとってはナント初めての新丸ビル!
 この立地でランチコースが1800円はお得。カマンベールチーズや野菜などがたっぷり入った大きな前菜がきました。3人が違うパスタを頼み、取り分けてもらったので3種類を味わうことができ、食後にはチョコレートとデザインカプチーノが出てきました。
 家に戻って、何という名前のイタリアン料理店だったかなと調べてみたら、レストランに点数をつけているサイトがヒットしました。
 
デリツィオーゾ フィレンツェ (DELIZIOSO FIRENZE) (東京 / イタリアン)
料理・味 3.09 | サービス 3.14 | 雰囲気 2.97
 その下にさまざまな書き込みが・・・。文句も多い、多い!

 「食べ終わるや否や黙って持っていくし・・・」 まぁ、そうだったけれど、ラストオーダーの時間から1時間もいた私たちに何も言いませんでしたよ。
 
 いつもよく行っている店を調べてみました。
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 キッチンオールドバザール (早稲田 / インド料理、ネパール料理)
料理・味 3.24 | サービス 3.16 | 雰囲気 3.15
源治 (げんじ) (早稲田 / 居酒屋、焼鳥、串焼き)
料理・味 3.19 | サービス 3.17 | 雰囲気 3.17
麻の葉 (アサノハ)(早稲田 / 創作料理、居酒屋)
 料理・味 3.39 | サービス 3.14 | 雰囲気 3.29
博多 一風堂 高田馬場店 (いっぷうどう) (面影橋 / ラーメン)
料理・味 3.40 | サービス 3.30 | 雰囲気 3.23
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一週間前、娘と行ったつばめグリル 新宿タカシマヤタイムズスクエア店 (新宿 / 洋食、ハンバーグ、ステーキ)は、
料理・味 3.43 | サービス 3.30 | 雰囲気 3.37

 「キッチンオールドバザール」は給仕がネパール人で日本語がスムーズには通じませんが、心はこもっています。「博多 一風堂」は元気がいい。「麻の葉」の主人は無愛想だけど、こだわりを持って料理の中身を説明します。どれをサービスととらえるかも人それぞれですよね。カレーを食べたい日に和食を食べても、その日の味は落ちてしまうでしょう。

 大学の授業も同様で、授業は学生によって評価され点数化されます。このレストランの点数と同様、あてにならないです。
 多くの方がすでに知っていると思いますが、みんなの授業評価というサイトもあります。


「忙しい」と感じるとき、まだ10倍程度の仕事はこなせる

5月25日
 最近、「仕組みづくり」に関する本が多く出ています。私のような大学教員&ピアノ教師は、いくら“最少の時間と労力で最大の成果を出そう”としても、「私の授業は内容が濃いので、45分に短縮します」とは言えないし(笑)、「濃密なレッスンをしますので10分短くします」とは言えないんですよね。仮に(あくまでも仮に、です)私が2倍濃厚な授業が出来るとしても、私の給料が倍になるわけではないし・・・。
 といった具合に、あまり関係がなかった「仕組みづくり」ですが、最近、私が監修する児童学科の音楽隊や、児童擁護施設でのピアノレッスンが本格的に始動し、「仕組み」について考えることが多くなりました。
 だって、すでに1つの児童擁護施設でゼミ生がピアノを教え始めた子どもたちのほうが、私が土曜日にミュージック・ラボで教えている子どもたちの数より多いのですよ。
 「仕組みを作らなければ!!」 これまで研究以外は個人プレーだった私にはとても大きな変化です。

 『「仕組み」仕事術』を書いた泉正人さんは、“人が「忙しい」と感じるとき、まだ10倍程度の仕事はこなせる”と言っています。以下、『「仕組み」仕事術』の中で気になった言葉の数々です。私は優秀ではないし、ビジネスの世界にいるわけではないですが、悠々自適なタイプでもないので、私なりの「仕組み」づくりをやってみるつもりです。

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 何かあったときに他の誰かが対応できる「仕組み」をつくる(P.25)
 個人の才能や努力だけでは乗り越えられない「壁」がある。「仕組み」とは「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」のこと(P.31)
 優秀な人にたくさんの仕事をさせてしまうと、その人が持つ最も大切な能力が発揮されなくなってしまう。その最も大切な能力とは、「新しいものを生み出す能力」である。優秀でない人は、暇になれば暇なだけで終わってしまうが、優秀な人というのは、暇な時間ができると、意識的に、あるいは無意識のうちに、それを「考える時間」にあて、そして実際、必ず何か新しいものを生み出す。優秀な人に「自由な時間」を与えるほど効率のいい戦略はない。だからこそ、ビジネスの世界において、さらに上を目指そうと考えている人は、単純作業やルーチンワークなど頭を使わないですむ仕事には「仕組み」を徹底してつくることで、効率化させたり、人にまかせたりする。(P.42)

 


『口コミ伝染病』のノウハウ、効果あり!

 5月13日
 少し古い本なのですが、『口コミ伝染病』という本を読みました。ビジネスマンでもないのになぜこういう本を読んだのかというと、早稲田の音楽教室「深見友紀子ミュージック・ラボ」を発展させたいと思っているからです。

 この本には口コミを伝染させるための具体例がたくさん書かれていました。

「綺麗な広告は自己満足に過ぎない。広告(チラシ)は汚い方が良い」
「供給は絞った方が良い」
「お客をヒーローにする」
「付き合いたいお客だけに絞る」・・・・

 我が家の玄関に貼っている手づくりのポスターとミュージック・ラボのページに、「土曜日のクラスは夕方1名分空きがあります。」と書いたところ、わずかの間にその1名分の時間に問い合わせが数回ありました。供給は絞ったほうがいいようですね。(結局、5歳のかわいい男の子が入ってくれそうです。)
 
 手書きのチラシの効果を実感できる出来事もありました。先週、私のゼミ生で、京都女子大学児童学科音楽隊の第2期生の一人、Hさんに第3期生募集のチラシを手書きで作ってもらい3年生に配布したところ、瞬く間に第3期生が結成されそうな気配なんです。授業の折に、私が説明してもあまり動きがなかったというのに・・すごい効果です!!

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▲クリックすると拡大します▼

 “一生懸命仕事をしていれば、評価されてお客さんの口コミが始まる”というのはウソで、絶え間ない努力と(Hさんのような)才能が必要です。
 ミュージック・ラボのチラシもHさんに作ってもらおうかしら。


「粘土上司」にご用心

 5月7日
 AERA 2008年5月5日号に「昭和上司 カイゼン計画」という記事がありました。

 現場の上司が時代遅れの「昭和的価値観」で部下を縛っている部署では、「ワークライフアンバランス」な状態が蔓延している。・・メールで報告して、チームで意識を共有しておけばすむような事業の場合でも、「メールなんか読み飛ばしたら終わりだ。口頭で報告しないと駄目だ」と部下を居直らせる。・・(原文ママ)

 このような上司を「粘土上司」(富士通総研主任研究員、渥美由喜さんの命名)というらしいです。

 働きやすい環境を整えなければいい人材は集まらないし、仕事を効率化して生産性を上げなければ激しい企業間競争に生き残れないのは、経営者の常識。しかし、現場の部課長レベルの粘土層が新しい価値観の浸透を妨げているのだという。・・粘土層にはエース上司も多く、成功体験があるだけに、自分のやり方が時代に合わないとはなかなか認められない。・・「形骸的な資料づくりや報告に必死だから、部下は仕事が増えるんです。」・・(原文ママ)

○会社生息上司・・会社に住んでいる?と疑いたくなるほど。部下にも「帰るなよプレッシャー」をかける ○エース上司・・会社に滅私奉公して成功を納めてきた。自分のやり方が1番と信じて疑わない ○飲み会強要上司・・職場の活力は「飲みニケシーョン」が心情。連日部下を連れ回し武勇伝を披露  ○卑屈上司・・出世競争からは脱落。部下管理だけが生きがいで、無駄な報告を求める ○お題目だけ上司・・育児休業などお題目は理解しても、直属の部下には許さない。総論賛成各論反対型

 大学教員の私には、事務仕事や雑用を手伝ってくれる若い職員さんは数名いますが、原則として上司も部下もいません。でも、上司のいないはずの私の生活のペースを狂わせるのが、突然要求され、提出を余儀なくさせられる資料や報告書です。この中には説明責任として必要なものもありますが、「こんなもの提出して、誰が満足するのだろう」とため息をつきたくなるものも多くあります。ルーチンワークの進行に支障をきたし、睡眠時間が不足し、誰のためでもない・・。
 何よりも必要なのは「脱・昭和」。何よりも気をつけなくてはならないのが、自分が学生に対してこうした「粘土上司」にはならないことですね。