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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

電車のなかでの化粧ってどこまで悪い

 女が車中で化粧することを批判する人が多くいます。その多くが男性です。

 時間が惜しいとき、私はマスカラをつけずに河原町のマンションを出て、大学に向かうバスの中でマスカラを塗ることがほとんどです。京都の市バスは運転が荒いですから、アイラインは無理! 
 月曜日の朝、東京から京都に向かうときはスッピンで家を出ます。起床から家を出るまで15分。名古屋までは仕事をして、名古屋を出ると化粧を始め、指輪とピアスをつけて、トイレに行き、ついでにゴミを捨てた頃、京都駅手前のトンネルにさしかかる・・・これがいつものパターンです。夜の移動のときは、トンネルを抜けるまでパソコンに夢中になり、京都で降りそこないそうになったこともあります。

 私の友人には、信号停止の間を利用して、車のなかで化粧を全部やってしまうという人もいます。その人は大学助教授と演奏家を両立させているので、新幹線のトイレで“大学の先生のスーツ”から“アーチストの普段着”に着替えるそうです。一度、タクシーの中でも着替えたらしく、乗せたときの服と違っていたので、運転手が幽霊だと思ったという伝説的な話もあり!

 「本来は自分の家や部屋の中など他人の目に触れない場所で行なうべきことを公衆の面前で行なうことは、それを目にする者を大変不快な気持ちにさせる迷惑行為である」ということらしいですが、粉が飛ぶ、匂いがする、キレイになっていく姿を見たくない、西洋人は人前では化粧をしない、日本人の恥だ・・どれも説得力がイマイチ。
 
 山手線や地下鉄の中でご飯を食べるのはダメでも新幹線でダメという人はいないでしょう。ただ単に乗っている時間が長いから、という理由なのでしょうか。
 匂いがする―名古屋味噌カツ弁当のほうが、よっぽど匂います。
 粉が飛ぶ―白いワンピースを着ているときの、隣に座る男性の新聞紙のインクも迷惑です。
 西洋人は人前では化粧をしないかもしれないけど、香水の濃度は半端じゃないですよ。以前私の家を訪ねてきたヨーロッパ人女性の香水が強くて、1日経っても残り香がありました。人前での化粧と濃い香水、どちらがより迷惑なのか、微妙ですよね。

 3年ほど前、ブラジャーの“透明付け替えヒモ”が流行りましたが、今年の夏、ブラジャーのヒモを見せるのは平気になったみたいです。イタリアに行ったとき、腹部を見せていない女の子のほうがずっと少数でした。トランクスをズボンから上に出し見せている男の子も多かったです。おっさんたちが「電車のなかでの化粧」をネタにギャルいじめをしている間にも、“公序良俗”の基準は大きく変化しているのでは?
 
 バスの中で化粧をしてキレイになっていく女に対して、「アンタはん、短い間にエライ、キレイになりはりましたなぁ~」と言える男性がもっといてもええのと違いますか。

 文化の差なのかな?