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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

失礼!失礼!失礼!

 大学の関係者と幼稚園の関係者が集うと、最近の実習生や新任教諭の礼儀がなっていないと幼稚園の人たちは必ず口々に指摘する。「しっかり躾けてから現場に送ってくださいよ。それが大学の役目」と言っているように感じる。
 いや、明らかに言っている。
 半月ほど前に開かれた会合も、いつもと同じような雰囲気だった。「今の若い子は何を考えているかわからない」「家庭でどういう教育を受けているのか」・・・・(これっ、縄文時代からずっと言われ続けてきたことらしい。)
 そのなかで、特に一人の男性園長の話が可笑しかった。
 「新任の教諭が、コーヒーになさいますか、お茶になさいますかと来客者に尋ねたので、なかなか気の利くいい子だなと思ったんですが、コーヒーの出し方をみて驚きました。ソーサーなしでカップだけ出し、クリープの瓶をテーブルに置いたんですよ。本当に失礼なことです」
 そうかぁ????????
 スターバックスではソーサーは出てこない。私はソーサーなんて使ったことがないし、深見さんなら、カプチーノやウィンナーコーヒーぐらい作ってくれるのではないかという期待に応えていないことを少し気にし、ファーストフード店みたいだなと恐縮しながらスジャータを添えてコーヒーを出しているよ。
 この方はさらに続けた。
 「子どもたちに出す番茶を来客者に出した新任教諭もいるんですよ。お客様には蓋のついた湯呑で熱いお茶ですよ、絶対に。最近の子はペットボトルで茶を飲むので、茶は冷たいものとでも思っているのでしょうか」
 私は蓋のついた湯呑は嫌いだ。あの蓋、安定感ないし。“客には熱いお茶”という決まりでもあるのかな。舅のいじめに遭っているみたいで、この園の新任教諭がかわいそうになった。

 この懇談会の翌日、私の前任者で作曲家の野村誠さんが大学を訪ねてくれた。鍵盤ハーモニカを卒論のテーマに取り上げたいという学生2人に会いに来てくれたのだ。この日私はあいにくずっと授業があったのだが、授業の合間に研究室を覘くと、野村さんは、机の上に置いてあった私の食べかけのチョコレートを食べようとしていた。何日も前から少しずつ食べていたそのチョコはすでに残骸そのものだったので、私はストックしてあった大きな板チョコを2枚に3人に渡した。
 次の休み時間に戻ってくると、ポットも使っていないみたいだったので、「自販機で好きなものを買って」と100円玉3個(大学の構内では缶ジュースは100円)をゼミ生の一人に渡した。

 冷たいお茶は失礼。客に缶ジュースも失礼。出された以外のものを客が勝手に食べるのも失礼・・・・。
 失礼!失礼!失礼!失礼!失礼!失礼!失礼!失礼!


 授業が全部終わって研究室に戻ってくると、もう野村さんは帰ってしまっていた。2枚のチョコは残りわずかになり、テーブルに放置されていた。そのゼミ生たちによれば、2枚のチョコのほとんどは野村さんが食べ、少し食べるごとにテンションがあがったらしい。

 チョコを食べながら作曲すると言っていた野村さん。私も大きな板チョコを2日半で1枚食べることにしている(2日で一枚、3日で一枚ではなく、2日半で1枚!)。
 この野村さん、大学の教官として幼稚園を訪ねたとき、その幼稚園の先生たちの価値観では、とても大学の先生とは思えなかったらしく、本当に京都女子大の先生なのか確認する電話が事務にかかってきたらしいと元ゼミ生が言っていた。
 野村先生は大学生にとってすごくいい先生だったと思うし、私だってかなりいい先生のはずなのになぁ。