記事一覧

 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

路上生活児からノーベル賞学者へ

 10月11日
 路上生活児からノーベル賞学者へ=カペッキ博士の波乱人生-米

 4歳からの数年間、カペッキ博士が物ごいや盗みから何を学んだのかと、9歳で初めて学校に行ってからハーバード大で博士号を取るまでを知りたいですね。現在生活苦に陥っているシングルマザーたちにも勇気を与える話です。

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路上生活児からノーベル賞学者へ=カペッキ博士の波乱人生-米
10月11日17時1分配信 時事通信
【シリコンバレー11日時事】ストリートチルドレンからノーベル賞学者へ-。ノーベル医学・生理学賞の受賞が8日に決まったばかりの米ユタ大のマリオ・カペッキ博士(70)=米国籍=の波瀾(はらん)万丈の経歴に全米の注目が集まっている。
 報道によると、博士はイタリア生まれ。第二次大戦中の3歳の時、詩人だった母親は、反ファシスト運動に参加したとして秘密警察に連行され、強制収容所へ送られた。母親は未婚で、マリオ少年は農家に預けられたものの、程なく農家の困窮した生活から脱出、4歳半で「路上に飛び出した」という。物ごいや盗みを働き、必死に生き抜いた。
 転機は9歳の時。栄養失調で運び込まれた病院に、終戦で収容所から生還した母親が迎えに現れた。母子は親族の招きで渡米。マリオ少年が生まれて初めて登校したのは米国に到着した翌日だった。
 名門ハーバード大で博士号を取得したカペッキ博士はその後、特定の遺伝子の機能を失わせた「ノックアウトマウス」を作ることに成功。病気の原因解明などに幅広く貢献する技術を確立し、今回の受賞につながった。
 博士と旧知の教授は米紙に、博士は実現困難と批判されても、「重要課題を追究する強靱(きょうじん)な意志を持っていた」と語った。「不可能なことは何もない」が博士の信条という。
最終更新:10月11日18時15分


人生、いつからでも挽回できる!

 9月12日
 先月末、男女雇用均等法施行のほんの少し前に、年子で子どもを産んだだめに産休を取ることができず、小学校の音楽科教員をやむなく退職した五十代半ばの女性と知り合いました。この方は現在、中野区の自宅でピアノなどを教えたり、地域の合唱指導などをしたり、NPOの仕事をしている傍ら、今春から立教大学の大学院、21世紀社会デザイン研究科で学んでいます。次女は京都女子大の児童学科に在籍中。

 21世紀社会デザイン研究科→http://www.rikkyo.ne.jp/grp/sindaigakuin/sd/index.html
 「お母さんが先生にとても興味を持っているので、会ってくれませんか。」と言われて、自宅を訪ねました。
 この世代の女性で若いときからずっと働き続けている人たちはちょっとくたびれていたり、達観しているつもりなんだろうけど同じことばかり話したり、生き生きとしている人でも長年住み慣れた世界の流儀がぷんぷん匂っていたりするのですが、この方は飛び切り元気。自分の力を社会のなかで思う存分発揮したくてもできなかった時期を埋めたいという気持ちが切々と伝わってきました。

 「大学院の「21世紀社会デザインと家族」という科目のレポートで、深見さんの最高裁判決を取り上げたのですよ。」

 “臭いもの”、“危険なもの”には触れないようにする人が多いなか、なかなかナイスなミドル女性でした。“臭いもの”、“危険なもの”には触れないようにするのは良識があるからではなく、自分の考えに自信がないからといえるかもしれません。


少子化対策、負の効果が顕著に

 8月22日
 きょう、保育料の滞納が全国で90億円になったというニュースがありました。
 少子化の歯止めのために乳幼児に関する多くの事柄を無料にすることが言われ始めたとき、保育料も医療費も授業料も全部タダでやっていけるんだと思う人が出てくるのではないかなと感じましたが、案の定でした。少子化対策の負の効果が早速出始めましたね。
 今の世の中、産んだら感謝されるし、全部タダならば産んであげようかしら、みたいな人が出てきても不思議ではないと思います。真面目に人生を、家計を考えた結果、産まなかった人たちが払う税金が、踏み倒した分の穴埋めに使われたりしたら、なんか不公平だなぁ。
 この間、「授業でコンパスを持って来なさいと伝えたら、親が領収書を持ったきた」とある公立学校の先生が言っていました。結局、この先生、払わされたらしいです。あまり報道されないけど、こういうことに耐えている先生多いのではないかなぁ。
 
 ところで、昨年、私の音楽教室でも「月謝踏み倒し」がありました。その男の子とお母さんは、毎月幼児を対象に行っているワークショップにやってきて、翌6月からピアノの個人レッスンを開始。レッスンを2回受けた時点で、多くの習い事をしていて疲労しているという理由で、出稽古を要求(出稽古とは、先生が生徒の家に教えに行く、出張レッスンのことです)。私の教室は設備や雰囲気に付加価値があるので、わかってない人だなと思ったのですが、担当講師が若いA先生(ザウルス)だったので、相手の要求を聞いたところ、ぐちゃぐちゃさらなる要求をしてきて、ついには「まだ入会しているわけではない」「今月だって2回受けただけでまだ仮だ」「夏休みは長期休暇で(海外?)に出かけるので、戻ったら連絡する」と言ったきり、なしのつぶて。秋になって「入会金は要らないですので、6月の半分(2回分)を振り込んでください」と一度だけメールをしましたが、完全に無視されました。20年間ピアノを教えていて初めてのことでした。
 このお母さん、いろいろな所でケチをつけて踏み倒しているんでしょうね。もうちょっと人の労働や専門知識に敬意を払ってほしいものです。


私から産まれ、この世に生きているということ

 2月20日
 年末以降、プロジェクトで進んでいる仕事や、食事会などで女性の友人や仲間と会う機会が何度かあり、フト気づいたことがありました。
 子どもがいるのは私だけということ。
 世の中の平均では、女性一人につき、1.26人の子どもを産んでいるらしいので、たまたまかもないですけど、子どもを持たない人は驚くほど多いのです。
 彼女たちはみんな優秀でまじめな女性たち。子どもをもつことや自分のキャリアのことを人一倍真剣に考えてきたはずです。私だけが不真面目=無謀だったのかもしれません。

 29歳の春にやっと大学を出て、娘を妊娠したのは31歳の秋でした。世間的にはキャリアを積んでいないという理由で出産を後にのばすでしょう。しかし、産んでくれるだけでいいという男性(最高裁・パートナー解消訴訟の相手)が現れて、その話にのりました。3年後、もう一人産みました。妊娠中私は一時危篤になりました。いろいろな事情が重なり、第二子とは会っていませんが、息子は今を生きています。私が育てていないことを批判している人もいるだろうけど、人はさまざまな事情を抱えて生きているのですよ。

 12月に父が亡くなったとき、棺のなかに横たわっている父を見ながら、この人がいなければ私は存在しなかったんだなぁとつくづく思いました。父は昭和20年の大阪大空襲のなかを逃げ回り、九死に一生を得た人。もしその空襲で死んでいたら、私は存在しない・・・。

 私は子どもを産んでよかったと思いました。

 最近、娘とは些細なことでメールでケンカになりましたが、元気に生きているだけでいいと思うようにします。インターネットのおかげで、息子が中学でテニス部に入っていることもわかるし、描いたポスターも見れるし・・。とてもいい時代です。


どちらが育児休業を取るか

 8月14日
 8月11日、学生たちの実習指導で、大阪・高槻市のU保育園と、京都・六角大宮のR保育園に行きました。
 U保育園の園長さんが、父親が育児休業を取った園児の家庭が初めて出たと話しました。
 父親の職業は高校教師。まだ一般的には、安定して、あまり競争のない仕事をしている人しか取れないのですね。

 私とパートナーSさんが、もしもっと若くて、現在の仕事に就いていて(若いので、教授ではなくて講師)二人の間に子どもが生まれ、どちらかが休業しなければならなくなったら・・・
 私は、前年度の年収の少ないほうが休業し、多いほうが働き続けることを提案したと思います。
 休業した場合どちらがより打撃が大きいか、どちらが職業人としてより将来性があるか、どちらの仕事が社会的に意義があるか・・なんてなかなか比べようがないですから。
 たぶん、こういった考え方に対して、「子育ては、仕事とは比較にならないぐらいクリエイティヴなものよ」と言って批判する人(その多くは女性)が多くいることでしょう。

 でも、私は仕事を休まないです。
 理由は、私は「クリエイティヴではないから」ということにしておきます。

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男性の育休取得率0.5%に後退 昨年度、厚労省調査
2006年08月09日19時12分

 05年度の男性の育児休業取得率は0.50%で、前年度の0.56%よりさらに下がったことが、9日、厚生労働省のまとめで分かった。04年末の「子ども・子育て応援プラン」では「10年後に10%」とする目標を掲げているが、実現への道は険しそうだ。同省は「育児は女性という根強い意識や、取得しにくい職場の雰囲気がある」とし、企業に男性の育休推進を目指す考えだ。

 調査は05年10月、従業員が5人以上の約1万事業所を対象に実施し、75.3%から回答を得た。

 それによると、05年度に配偶者が出産した男性の育休取得率は0.50%で、データのある99年度以降では、02年度の0.33%、99年度の0.42%に次いで低かった。

 一方で女性の取得率は前年度より1.7ポイント増え、72.3%。従業員30人以上の企業では80.2%。育休の期間は、前回調査(02年度)と比べ、「10~12カ月未満」が減り、「12~18カ月未満」が増えるなど長期化している。


思わぬところから、結婚制度が崩れるかも!

 7月27日
 今朝、民法改正論議と男女共同参画に関する情報を発信するメディア、「民法改正情報ネットワーク」のメールマガジンが届いた。
 興味深い記事と、編集者の坂本さんのコメントが載っていた。
 
 最近、子育ては「産んだ女が当然責任をもつもの」から「産んだ女1人での力では到底無理なので地域で支えるもの」というのがスタンダードになってきたけれど、もし出生率が今も高ければ、子育ては「産んだ女が当然責任をもつもの」とあいかわらず言われ続けているはず。行政に関わる男性の多くは、仕事柄あるいは時代の趨勢から「地域が支えるもの」と言っているだけで、本音では「女がするもの」と思っているように感じるけど・・。
 さて、下の記事をみると、出生率を回復させるために、次は「従来の結婚制度を維持しないほうがいい」に転換するのではないかと思ってしまった。
 スゴイ!!
 夫婦別姓論さえも異端扱いしてきた人たちが、出生率を回復させるという目的のために、従来の結婚制度はなくすべきと言い始めるのだろうか。
 信じられない!!
 その結果、たぶん経済力のない若年ママとその子どもだけが増えて、新しい社会問題が生まれる。出生率が回復すれば、その他の結果は気にしないのかな。
 これまたスゴイ!!

 でも、思わぬところから、結婚制度が崩れるかも!! 楽しみ!!!!!!!!


【GO1】社会保障・人口問題研究所が世帯動態調査の結果を公表
     7月21日
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 国立社会保障・人口問題研究所が7月21日、2004年に実施した第5回世帯動態調査の調査結果を公表しました。これは、世帯の規模や構成などについて、5年ごとに実施される調査です。
 世帯の規模は減少傾向にあり、1999年では多い順に4人、3人、2人だったものが、2004年では2人、3人、4人となりました。1~3人の世帯が増え、4人以上の世帯が減少しています。
 (中略)
 結婚年齢を見ると、男女とも多くの年齢で未婚割合が上昇し晩婚化、未婚化の進行は顕著です。ただし、30歳未満の男子と20~24歳の女子では未婚傾向が低下しており、晩婚と早婚の二極化も見られます。
 この調査で興味深いのは、同棲カップルが1%程度と極端に少ないことを、低迷する出生率と関連づけていることです。
 国際的には、婚外出生が多い国では出生率が高く、婚外出生が少ない国では出生率回復の望みが薄いことを挙げ、「従来の結婚制度を維持したまま出生率を回復した例は観察されたことがない」と指摘しています。

<編集雑感>
 *政府は、90年代半ばから「エンゼルプラン」をはじめ、さまざまな少子化対策を進めてきたが、出生率は過去最低の1.25を記録した。従来の対策では不十分と指摘された政府が先月20日、「新しい少子化対策」を発表した。
 この対策には、「子育て支援策」「働き方の改革」「国民運動の推進」の三つの柱があるが、これで女性たちが子どもを産みたいと思うかは疑問だ。特に、国民運動の推進では「家族・地域の絆を再生させ、社会全体で子どもやいのちを大切にする」としているが、
極めて日本的で的外れだと思う。
 少子化を克服したフランスでは、出産費用は基本的に無料で託児システムも充実している。避妊や中絶は女性の権利として認められているバックグラウンドもある。女性には経済力があり、経済力を背景に法律婚にとらわれずに子どもを産んでいる。未だに婚外子差
別を行う日本とは大きく違う。パート、アルバイトという不安定な雇用形態はなく、短時間勤務でも正規雇用なので社会保険もあるという。有給休暇や失業手当、育児休業手当が取りやすいと子どもを持ちやすいのは当然だ。なにより、女性の負担はできるだけ無くす努力をしている。女性のための対策こそ少子化対策であることを政府には気づいてほしい。
 *次期総裁有力候補の安倍晋三氏。「ジェンダーフリー論者はポルポトのようなもの」と発言した人物だ。A級戦犯とされた岸信介の孫でナチスと手を組んだ松岡洋右とも親戚関係であることも知っておくべきだろう。今後の彼の言動とも関係するだろうから…  


出生率大幅低下、最低の1・25

 6月1日
 週末に少し体調を崩しましたが、15センチ四方の枡に山盛りの葱とキョーレオピンで回復。今週はいつも通り頑張っています。
 昨朝、パートナーのSさんが京都を出たので、明日の深夜東京で再会するまで1人暮らしです。ご飯を作ってくれる人がいないので、今晩の夕飯は四条河原町阪急の中にある自然食バイキングレストラン「はーべすと」で1人でゆっくり食べました。
http://r.gnavi.co.jp/k623503/index.htm
 お腹いっぱい!! きょうは30品目どころか、80品目ぐらい食べました(笑)。一週間に一度ぐらい、このぐらい思いっきり食べないと体重が減ってしまう私。「はーべすと」にも15名ぐらいのお客さんがいましたが、太った人は1人もいなかったです。

 帰宅して「2005年の合計特殊出生率 最低の1・25」というニュースを知りました。
 1.25という数字に驚きはありません。4人も5人も子どもがいる女性がいるけれど、私の親しい友人を見渡すと、0.30ぐらいだから。
 私は相手の男性側が育てるという取り決めをして、1989年と1993年に子どもを産みました。(この取り決めについて、2ちゃんねるで揶揄されたばかりではなく、水野紀子さん(東北大学大学院法学研究科教授)には「公序則に反する」、本山敦さん(立命館大学法学部助教授)には「人身売買」と言われました。)
以下を参照
http://www.partner-marriage.info/hannou_2.html
 当時、普通の女性のように、基本的に自分の手で育てるのならば絶対に1人も産んでいません。1993年の出産は双子の1人が死亡し、私は一時危篤になりました。
詳しくはこちらを
http://www.partner-marriage.info/c8.html
http://www.partner-marriage.info/c9.html

 腹部の形成手術をしたために次の妊娠は難しくなりましたが、もし2回目の出産が普通分娩だったら、そして、現在の年齢より7歳ぐらい若くて40代の前半だったら、私は現在のパートナーのSさんの子どもを産んでいると思います。今の私には安定した収入があるし、貯蓄もあるし、出産前後の休暇も“堂々、満々”にとれる労働者だし、家事の多くをするパートナーもいるからというのもありますが、何よりも職業柄、学生たちのような未来のプロも含めて、多くの子育てプロに囲まれているからです。この歳になって最強の子育て環境が得られ、子育てマインドになったのです。でも、時は既に遅し!
 読売の社説(6月2日)によると、「猪口少子化相の委員会にしても、児童手当の拡充など、経済支援を重視する少子化相に対し、有識者は、仕事と育児の両立支援こそ重要だ、と主張して意見が食い違っている。」ということらしいけれど、児童手当欲しさに子どもを産む人はいないと思うし、後者についても、専業主婦→お金を稼ぐためにパートに出て、保育園に子どもを預け、稼いだお金は教育費に消える女性たちをつくるだけでしょう。
 もしも常識的に生きていれば1人の子どもも持たなかった私に子どもが2人もいる―この事実をよーく分析・検証すると、少子化は打開できるのになぁと思いますが、誰も気づかないみたいです。
 子どもを持たない女性は異端ではなくなり、子どもを持って働き続ける女性も異端ではなくなって久しい今、私だけが「異端のしんどさ」を抱えているような気がしてきましたよ。
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出生率大幅低下、最低の1・25…年間人口は初の減少
 厚生労働省は1日、2005年の人口動態統計を発表した。合計特殊出生率(1人の女性が15~49歳の間に産む子供の数の平均)は1・25と前年より0・04ポイント低下し、過去最低を更新した。
 05年に死亡した人の数は、生まれた子供の数を2万1408人上回ったことから、戦時中など特殊な期間を除き1899年(明治32年)以来、初めて年間の人口が減少した。
 少子化が今後も進展すれば、年金をはじめとする社会保障制度の基盤が揺らぎ、経済にも悪影響が出るのは必至で、政府は少子化対策への一層の取り組みが求められそうだ。
 合計特殊出生率は03、04年は共に1・29と横ばいだったが、大きく低下した。05年に生まれた子供の数(出生数)は、5年連続で前年比マイナスとなる106万2604人(前年比4万8117人減)。
 死亡数は108万4012人(同5万5410人増)だった。合計特殊出生率が低下した大きな要因の一つが、一般的に子供を多く産む25~34歳の女性は、第2次ベビーブーム以降に生まれており、減少傾向にあることだ。
 特に30~34歳の女性人口は前年より9000人減の474万2000人となり、初の前年比マイナスを記録した。都道府県別では、東京都の0・98が最低で、沖縄県の1・71が最高だった。福井県は1・47と0・2ポイント改善しており、唯一の前年比プラスだった。(2006年6月1日23時56分 読売新聞)


初回無料、初回50%オフの“エステ”のよう

 5月2日
 4月29日、政府の「少子化社会対策推進専門委員会」がまとめた新たな少子化対策の原案が明らかになったそうです。

・児童手当に加えて、0歳から3歳までの子どもを対象とした乳幼児手当を創設
・現金が手元になくても出産のため入院できるよう、出産育児一時金は償還払いの支給の仕組みを工夫
・妊娠中の検診費用の負担を軽減

 「短期間で実効性がある施策」を実現するということらしいけれど、初回無料、初回50%オフの“エステ”みたいだなと思いました。後で多額の請求に苦しめられ、自己破産への道をたどることになってしまわないかな。
 こういう施策に乗ってくるのは長期展望のない若年カップルだけだと思うし、結局得をするのは、たとえこういう施策が無くても子どもをつくる予定のカップルだと思いますよ。 


少子化について思うこと2

 読売ウィークリー(2006年2月19日号)、特集「人口減社会 一万人の子をつくらぬ理由」の編集後記。
 「子をつくる、つくらぬ思い」
 漫画家のやくみつるさんは、「おのれの人生を全うしきる。それに専心する。子どもがいたら、それはできないな」と言ったそうです。
 ロックのシーナさんは、「子どもによって社会を知った。家族がいなかったら、私には何もない」と言ったそうです。
 おそらく、少子化が進むのは、やくさんのような“自分勝手な”人間が大勢出てきたから、というのが定説で、「子どもがいても自分の人生を全うしきれる」と反論する人々が多くいるでしょう。
 でも、私は、シーナさんのような「家族至上主義」も少子化の加速に影響を与えていると思います。
 社会を知る方法は多様だし、どう考えても「家族がいなかったら、私には何もない」ということはあり得ない。“シーナさんにとってのロック”さえ持てない凡庸な人々のなかには、シーナさんの発言を聞いてたぶん打ちひしがれる人もいるに違いありません。
 家族や子どもに対する思いをこういう風に主張しあうことこそが少子化を加速させてはいませんか。テレビや新聞、雑誌にかかわる人はそれに気づいていないような気がします。


少子化について思うこと1

 京都を中心に活躍する6名のピアニストと声楽家に授業を手伝ってもらっている「児童音楽Ⅰ」という授業のミーティングで、妊娠・出産、少子化が話題になりました。
 毎年、1年生か2年生で妊娠して、学業と育児を両立できずに中退する学生が出ます。
 「××音大の私の教え子のなかに、卒業演奏会でお腹が大きかった学生が3年連続いたわよ」とT先生。
 「私の1人息子の同級生には7人も兄弟姉妹の子がいる。そのお母さん、子どもを見るとまた産みたくなるんだって。」
 「私の知り合いにも4人子どもがいる人、いるわよ」
 女が子どもを産まないのは、仕事と育児の両立が困難であることや経済的な理由であるとし、政府は育児休業制度を充実させたり、保育園の開園時間を延ばしたり、就学前の子どもの医療費を無料にしたり、子どものいる家庭に買い物券を配ったりしているけれど、二十歳ぐらいで子どもを産む女性たち、家計などを考えずに次々に子どもを産む女性たちは、たとえ国の支援がなくても子どもを産むでしょう。

 彼女たちのように躊躇なく子どもを産む女性たちを含めても、日本の女性一人が平均して子どもを産む数、1.29。
 「一体誰が少子化に貢献しているのかな。我々なのかな。」と苦笑するT先生。
 T先生はピアニストとして十分に“男女共同参画”しているし、経済力もあるので、この無数のT先生たちの心を動かす施策とは、少なくとも経済的な支援ではないはずです。
 この無数のT先生たちの心を動かす施策を編み出せる人が、行政の少子化担当になればいいのですよ。


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