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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

学長宛の匿名の郵便

 1月26日
 昨年の8月、私のゼミ生と名乗る人物から、投書郵便が大学の学長宛に届きました。8月19日、8時から12時までの間に京都東山郵便局管内で投函された、差出人不明のワープロ手紙。私はその手紙を未だ見ていないのですが、大学の事務の人によると、そこに書かれているのは次のような内容でした。

・京都市内のU児童館のホームページに、5月の深見ゼミのコンパ写真が載っている。
・ゼミ生である私(差出人)は、その写真がインターネットに載っていることで、とても不愉快な思いをしている。
・どういう経緯で、その写真が深見からU児童館に流出したのかを調査してほしい。

 私は耳を疑いました。ありえない!
 
 その写真とは、次の写真です。
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 これは、U児童館のUさんが撮ったもので、コンパの翌日、私はUさんからメールで写真をもらい、研究室のページにも、その後、このノートブックにも載せました。つまり、流出というのなら、U児童館→私のはず!
 その3ヶ月ほど前、私がU児童館の主催の音楽講座をしたときに、お手伝いに来たゼミ生14名全員にUさんはランチをご馳走してくださったので、そのお礼に、Uさんをコンパに招待したのです。Uさんの分はゼミ生が一人200円ずつ出し合いました。

 80歳を超えて趣味がカメラとホームページ作りというUさんは、コンパの席でも「明日、児童館のページに載せるね。携帯からもアクセスできるから見てね。」と孫娘たちに言うようにうれしそうに話していました。
 結局、私から児童館に流出したのではないので、この郵便は単なる嫌がらせとして処理されました。もし本当に苦痛を取り除きたいのならば、返事を受け取ることができるように、差出人を明らかにしなければならないでしょう。匿名である限りは、誰を削除して欲しいのかも、該当部分をカットさえすれば使っていいのかもわからない・・・。
 私は差出人がゼミ生であるわけは絶対にない!!と思っています。今まで一瞬たりとも疑ったことはありません。ちなみに、この写真に載っている人で、Uさんが撮ったもので、児童館のホームぺージに載せることを予告していた事実を知らない人といえば、パートナーのSさんなんですが、8月19日、彼は私と安曇野にいました。アリバイがある・・・。
 半年近くたった今も、U児童館のホームページの写真はまだそのままです。私のサイトもそのままです。塀の陰から石を投げて、「大きな事件」にしたかった差出人としては残念な結果だったことでしょう。ゼミ生の多くはその後U児童館に足しげく通い、卒業研究のための実践をさせてもらい、先週全員が無事に卒論を提出しました。

 ホームページに子どもたちの笑顔が溢れるU児童館、実名で自らの裁判記録も載せている私が、こんな卑怯者に屈するわけありませんよ!相手を見て行動すれば!!


先見の明

 1月12日
 きょうは朝京都を出て、音楽之友社で打ち合わせをした後、神保町にあるS.S.さんが開く歯科医院に行った。私とS.S.さんは1996年の夏に知り合った。当時彼は国家公務員共済歯科診療所に勤めていて、その年の春から富山大学の教員になり国家公務員になった私は、フトしたことから、この診療所に行けば保険対象の治療はタダになることを知って通うようになったのだ。

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右側の人がS.S.さん
LOHAS TALKより転載
http://pod.j-wave.co.jp/blog/lohastalk/2006/08/
 2度目の診察のとき、彼に普通の歯科医は持ち合わせていない知性を感じた私は「先生は東京医科歯科ですか。私はその大学を中退しているんです。」と話しかけた。予想はあたり、S.S.さんは私より6学年ほど先輩であることがわかった。それ以降、歯科医師と患者という関係以上に親しくさせてもらっていて、パートナーのSさんも母も歯の治療に通っている。
 きょう、治療が終わった後、「医科歯科の同級生だった人たちと比べて、少なくとも深見さんの今の状況は悪くない。中退したのは先見の明があったのかも。」とS.S.さんが言った。
 22歳の頃、歯科の勉強にまったく興味がもてなくて登校拒否になった私は毎日死にたいと思っていた。音楽の才能があってやり直したと思っている人が多いけれど、それは事実ではない。一期校の医科大学に落ちて二期校だった医科歯科に受かった私にとって、せっかく入った大学の勉強に向いていない、それはとても辛いことだった。道を変えようとしたとき、私には13歳か14歳の頃まで習っていたピアノしか身を立てる手段はなかった。しかも10代半ばから8年ぐらい、音楽面の成長では大事な時期が空白だ。
 25歳の春に東京芸大に入学した頃、かつての同級生たちは医師の、歯科医師の国家試験に受かって意気揚々としていた。私はまだ学部の一年生。。。。歯医者になっていれば儲かったのに・・、その後10年あまりの間、会う人、会う人に言われた。
 あれから25年経った。いつの間にか歯科医も憧れの職業ではなくなり、新内さんの話だと、今、視野の広い歯科医は自分の子弟を歯科医にはさせないらしい。上を見たらキリがないけど、私は今自分に向いた仕事をまあまあ楽しくやっている。
 決して先見の明があったのではなく、私にはもう音楽しかなくて必死だったのと、音楽面では空白だった歳月に身につけた基礎学力が役に立ったのと、少し運がよかっただけだ。
 それと比べると、私は男女の関係には先見の明があると思っている。これはまだほとんどの人には見えないようだ。見えない人にはいつまでも見えないのだろうなぁ。 


夜、天使突抜に行く

 1月11日
 夜、大学からタクシーに乗って、野村誠・林加奈宅へ。
 いつもと違う方向から行ったので道に迷った。宅急便屋さんがいたので聞いたら、「あの、音楽家の・・・」と言って案内してくれた。
 2人の家の住所は、天使突抜〇丁目。
 今度出す本のレイアウトとイラストを加奈ちゃんに頼んでいる。この本、第二稿だというのにまだガタガタ。私が担当する部分はもう昨年の夏には文章も出来ていて、内容もほぼ変えていないというのに・・・。著者のうちの一人ではなく、最初から編著者として仕切ればよかったとか、もっと違う構成にしたほうが良かったとかいろいろと思うけれど、まずは前向きに解決しようと思う。まだこの本も出来ていないのに、次に書く本について考え始めていることを加奈ちゃんに伝えた。気が早いけど、今年になってから何やらやる気になっている。
 打ち合わせを終えて、菜食主義の加奈ちゃんが作った豆腐チャーハンを食べた。私がこういう食事をするとますます痩せてしまい、内臓脂肪がついに1になるよぅ。
 そろそろ帰ろうとしたら、野村誠さんがアコーディオン奏者、大田智美さんを連れて帰ってきた。
 明日から京都芸術センターで公演があるらしい。野村さんがピアノで、太田さんがアコーディオンで、メインがダンスの山下残さん。
 http://www.tp-kac.com/KAC_TP_j_zan.html
 「アコーディオンの太田さん?」
 野村誠さんが作ったアコーディオン曲にF&Iという曲がある。私と、以前のパートナーで最高裁の裁判相手のけんかを表した曲。太田さんは何度かその曲を演奏している。
 「私がFの深見です。はじめまして。」
 「F&Iはこの間ポーランドでも初演されたんですよ」
 今年こそ聞いてみたいなぁ、F&I。


個人情報!個人情報!

 11月24日
 最近私の一番嫌いな言葉の一つに「個人情報」があります。
 この間も損害保険の控除証明書が送られてこないので、損害保険会社の「お客様相談室」に電話をしたところ、個人情報保護のために、住所を届けている東京の家にしか郵送できないと言われて頭にきました。
 http://www.nipponkoa.co.jp/inquiry/index.html
 「年末調整の書類の締め切りが明日なので、大学の人事課に郵送してくれませんか。」
 「お客様の個人情報の関係で、登録された自宅にしか送れないことになっています。」
 「でも、もともとそっちのミスなんだし、東京の自宅に送られても、私が週末東京に戻って京都に持ってきて大学に提出するとなると、来週になってしまう。」
 「でも、決まりですから。個人情報は守らなければ、社としてもどういうお叱りを受けるかわかりません。」
 「それって、私の個人情報でしょ。私がいいと言っているのだからいいじゃないですか。もともとそっちのミスなんだし。」
 「そんなこと言われても決まりですから。それにお客様がご本人とは限らないですから。それにうちは必ず控除証明を出しているはずです。」
 「本人とは限らない??? さっき住所や生年月日を尋ねたじゃないですか。あなたには私の個人情報を聞き出す権利があるんですか。とにかく私のところには届いていないのですよ。出したっていう証明できるんですか。」
 「記録は残っているはずです。調べますよ。」
 それから数時間後、その担当者の上司と名乗る人から電話がかかってきて、結局、事務のミスで控除証明を出していなかったということがわかり、大学の人事課に速達で郵送することになりました。
 
 個人情報!個人情報!個人情報!個人情報! 

 郵便局が配達ミスすることもあるでしょ。
 私のマンションではよく違う部屋の人への郵便物がポストに入っていますよ。管理人室の前にペッと出しておくけど。3度ほど同じ名前のマンションの一号館の同じ部屋番号宛ての郵便物が届いていたこともあります。 
 
 個人情報!個人情報!個人情報!個人情報!
 
 学校でも同じように個人情報、個人情報とアホの一つ覚えです。
 学生たちの実践を保育園にお願いすると、写真撮影禁止、ビデオ撮影禁止というところがかなりあります。写真に関しては子どもたちの後ろ姿だけ、ビデオに関しては子どもはなるべく撮影しない、公開しないという条件で交渉することが多いです。
 つい最近も、学生の卒業論文には固有名詞はNG、「京都市内某保育所」と書いてほしい、その保育所での実践について書いてある部分のコピーを送付してほしい、ビデオテープは論文を書き終えたら返却してほしいと、わざわざ私の携帯電話に電話をしてきた保育園長がいました。
 「京都市内某保育所」のほうが余計怪しい感じです(笑)。それにビデオテープはデジタルだから幾らでも複製が作れる。テープで撮ったものでもDVDで撮ったものでも、大事な映像はハードディスクにコピーする習慣のある私は、耳を疑ってしまいました。
 返却を要求したという事実があればいいのでしょうね。

 厳密に言えば、横顔も混ざっていますが、子どもたちの後ろ姿というのはちなみに次のような写真です。大学側はおそらく映っている学生たちの許可など取っていないと思います。そんなことしていては、キリがないですよ。
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 京都女子大入学センターブログ 11月5日より転載
 https://www2.kyoto-wu.ac.jp/club/blog-center/blog.cgi 


ストレス発散に美容院

 11月8日
 10月最後の週末、千葉大学で音楽教育学会がありました。
 11月3日は、関西大学で開かれた日本教育工学会で共同研究の発表。久しぶりに富山大学のとき同僚だった人たちに会いました。なつかしい顔ぶれ。この日、私が知らせたのでこの学会に来た音楽教育学会の会員、阪大のIさんは、一週前の日本教育学会とあまりに雰囲気や設営の仕方が違うのでカルチャーショックを受けたと言っていました。

 同僚だった人たちの応援をもらって開いた富山大学マルチメディアコンサート。 このとき、中心となって手伝ってくれた当時工学研究科博士課程在学中のMくんは、その後ビクターエンタテインメントに入り、音楽配信の最前線をひた走った後、今年の夏起業するため退社しました。
 7年前、私は情報やコンピュータの専門家に囲まれ、自分が一番コンピュータがわからなかったので、常に不安を抱えていました。あれから7年経った今、女子大、しかも児童学科というのも大きいけれど、たまに自分より少しビデオ編集が得意だったり、ウェブ制作ができたり、キー打ちがびっくりするほど速い学生をみかけるぐらいで、かつてビリだった私がコンピュータがかなりわかる人になり、富山にいた頃とは質の異なる不安に陥っています。たとえば、私の想いに協力してくれるスタッフや同僚が学内にいない・・。「コンピュータなんて、所詮道具でしょ」という人がいるけれど、メディアは人の思考にも大いに影響を及ぼすから。
 
 11月5日には児童学科の学生たちと「こどもひろば」というイベントをしました。児童学科の学生ならばこその内容でした。私が京都女子大に来て一番学んだのが彼女たちのこの「工夫力」です。(でも、もう少しパソコンを勉強してほしいなぁ。相手の都合かまわず電話をかけて来る年配の幼稚園の先生みたいにならないでね。)

 打ち上げのコンパです。みんな、ありがとう!
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 きょうは、本日締め切りだった学部の研究紀要論文を提出しました。「大学の紀要なんてマスタベーションのようなもの」といつも悪態をついている私。それでも何度も何度も読み直し、フォントを変えてプリントして読み、縦書きにしてプリント、段組を変えてプリントして読み、風呂に持ち込み、タイルの壁に水で貼って読む。そんなことを繰り返しているうちに、京都の自宅マンションのプリンタのトナーがなくなってしまいました。トナーがなくならなければ、たぶん朝までやっていましたよ。プリンタまで私の体を守ってくれています。

 ひとまず一段落。で、21時に大学を出て、24時まで営業している河原町三条の美容院に。ついこの間、1年間74000円でカット・シャンプー・トリートメントのどれでも何回でも自由という特別会員になったんです。飲み歩くよりずっと健康的です!


高齢化する公立保育所正規職員

 10月18日
 今週、京都市保育士採用試験・1次試験をパスした4年生たちに、2次試験の音楽実技のレッスンをしました。1次は筆記で、2次は音楽・体育実技と作文と面接。78名残ったなかから約25名採用されるということ。
 約25名を採用する京都市は例外的に多いのです。他の都市では採用ゼロもザラで、そうした状態が何年も続いている所や、採用を凍結した所もある。団塊の世代が大量に退職する関係で、最近採用試験の競争率が軒並み下がっている小学校教諭と比べて、民営化による経費削減の影響で正規採用が少なく、保育士採用試験は難関です。一見たくさんいるように見える保育園の若い先生たちの多くは、正規保育士ではなく、パート保育士なんですよ。公務員なんて厳格な年功序列の世界だから、一番給料の安い若い人たちの採用を減らしたり、ゼロにしても対して効果がないのに、どこもかしこも採用減で凌ごうとしているんですね。
 今、公立保育園に行くと、50代の保育士が目立ちます。企業に勤める女性のほとんどが結婚、出産退職をした世代なのに、小学校教諭や一部の公務員などと並んで、本当にめずらしいほど正規職員として働き続けた女性たち・・。実際に会って話をすると、いい人たちだし、真面目なんですが、保育園と自分の家庭がすべてという感じの人が多く、社会における保育士の位置づけや若い人たちの雇用状況などに対して広い視野で見れる人はほとんどいなくてがっかりします。時々自信満々の人もいますが、「井戸の中の蛙、大海を知らずして宇宙を知る」っぽいです。
 
 パート保育士には定期昇給もない。成果主義による抜擢もない。正規の中高年職員の高給を支え、彼らの退職金を確保するために正規職員の3分の1ほどの薄給で頑張るなんて、私が若かったらごめんだわ。労働意欲など萎えて当然でしょう。この矛盾に気づいたら、若い人たちも声を上げることが必要だと思います。あまりにおとなしすぎる。だから舐められるという悪循環・・。

 若い人材を育てるという土台づくりに手を抜くと、組織は老化する一方です。一応健全に保たれているように見える組織でも、“昭和的な価値観”が充満しています。平成になってから20年近くも経ったのに、若い人たちの新しい方法を排除し、保身のために“昭和的な価値観”を振りまく。若い人たちを踏み台にして存続しているシステムは、一度ぶっ壊したほうがいいと思いますよ。

 レッスンが終わった後、練習室から課題曲の演奏が夜遅くまで響いていました。1次の成績と2次の成績を総合して決めるのではなく、1次はふるいにかける手段らしく、ここまで来ると、音楽が得意だったらかなり有利だなという感じがするなぁ。
 2次試験は今月23日。みんな、頑張れ。


2006年度後期が始まりました。

 9月28日
 後期の授業が始まって10日が経ちました。
 前期は一週間に90分の授業やゼミが9個半(半分というのは、別の先生と分担している授業)もあったのに比べて、後期は3個半。どう考えてもこの前期、後期の時間配分は異常ですよね。
 
 家政学部の常見美紀子先生(ファッションデザイン)のゼミ生が卒業制作でコンサートの衣装を作るというので、私のゼミのS嬢(フルート)がモデルになることに。ピアノ伴奏をする私までついでに衣装を作ってもらうことになり、打ち合わせをしました。

 常見美紀子さん
http://www.kyoto-wu.ac.jp/daigaku/kenkyu/staff/tsunemi.html

 小松正史さん(京都精華大学専任講師・メディア論・ピアニスト)と矢作聡子さん(ダンサー)の講座を11月12日日曜日に京都女子大学生ホールで開くことになりました。テーマ(タイトル?)は、「閉所恐怖症からの、脱却」です。

 小松正史さん
http://www.nekomatsu.net/

 矢作聡子さん
http://www.buyorengo.com/main/seminar/niko/25_2.html

 11月5日(京都女子大の藤花祭開催中)に開く、「こどもひろば」企画が始動しました。京都やんちゃフェスタなどの経験を生かして、さらにバージョンアップする予定。

 京都やんちゃフェスタ2006
http://www.ongakukyouiku.com/kyotowu/recent/yan2006/yan2006.html

 今年度後半は少しのんびりできると思ったら、そうでもないみたいです。編集しなくてはならないDVも、聴かなければならないCDも山積み・・。
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 でも、授業負担が減った分、高島屋の閉店時間に間に合うようになりました。30品目北海道高原野菜サラダ、おいしいですよ。
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「ナレッジ・ワーカー」は淘汰される

 8月13日
 8月9日水曜日、鴨川の土手で卒業アルバムの写真を撮りました。
 私がちょうど彼女たちの年齢の頃、最初に入った大学での勉強が合わなくてノイローゼになっていました。「若い頃はよかったな」と懐かしがる人がいますが、私にとってはあの頃が一番惨めで地獄だったなぁ。

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 河原町三条のカフェバーで打ち上げをして、頼んでおいた本を取りに四条通のジュンク堂書店に行き、店頭でたまたま『ハイコンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク、三笠書房)という新刊をみつけました。

 思わず引き込まれてしまいましたよ。私の最近の不安や苛立ちの根拠だと思うことが書かれてあったからです。

 「農耕の社会」から、「工場労働者の社会」、そして「ナレッジ・ワーカーの社会」へと変化し、次は「ハイコンセプトの社会」、答えのない時代を生き抜く能力、物事に意味を付加できる能力、大きな全体像を描く能力が必要とされる社会が来る。

 自分が音楽教育の「ナレッジ・ワーカー」に過ぎないことや、同業者のなかに自分たちが「ナレッジ・ワーカー」であることに気づいている人がほとんどいないことに私は苛立っています。
 そして、「ナレッジ・ワーカー」になりたい人を応援する気になれず、その結果、指導力の乏しい教師だと思われ、それに対して反省する気持ちがまったくなく、かといって、自分が「ハイコンセプト」の社会を生き残れるかどうか非常に不安に思っている・・・・・最近陥っている辛い状態の謎が解けたような気がしました。

 「よその国、特に途上国にできること」は避ける。
 「コンピュータやロボットにできること」は避ける。
 「反復性のあること」も避ける。
 今の義務教育で教えられているようなことは、メモリチップにおさめたらせいぜい100円分の価値しかない。
 「指導要領」があるようなものは、なかでもいちばん先に淘汰されるだろう。

 「ナレッジ・ワーカー」の代表格、弁護士や会計士のやってきた仕事も、コンピュータがやれるようになっていて、この改革を生き残れる弁護士というのは、データベースやソフトウェアにはできない非常に複雑な問題に取り組むことができる人たちだけになるらしいです。

 「最高裁・パートナー婚解消訴訟」の弁論が終わった日、担当弁護士が「深見さん、次は弁護士を雇わないで自分でやりますよね。」と笑いながら言いました。次があるかどうかわからないけれど、「もちろん! 」と内心思っています(笑)。


しんどさの根本は解決しない

 7月26日
 ここ数日、とてもしんどい日々が続いています。

 しんどい理由~その1 今年の終わりに出版する本の原稿(確定稿)がいよいよ大詰め。
 22日の土曜日、共著者の小林田鶴子さん、坂本暁美さんが名古屋、大阪から来てくれて、イラストの林加奈さんも一緒に京都駅近くで集まりました。
 前日、コンピュータに向かって担当箇所の修正を丸一日やっていたので、首と肩と耳の後ろあたりが痛くてだるい。
 あ~ぁ。。。。いろいろな所がまだまだ不十分。自己嫌悪。。。。。

 しんどい理由~その2 e-ラーニング録画システムのトラブルが発生。
 親しい仲間と会って少し元気をもらって帰宅したら、学生からメールが届いていて、6月の中旬から稼動したe-ラーニング録画システムがまた故障していることがわかったのです。学生の数が多いため、1人につきわずかな時間しかできないマンツーマンのピアノレッスンを補うための「実験的実践」第一弾なんだけど。練習室に置いてあるこのシステムが時々ダウンしてしまう。
 23日の日曜日は、システムを作っている会社の人がお休みなので、その会社の人からアドバイスをもらいながら私が対処することになったけれど、この練習室は地下にあるため電波の状態が悪い。途中何度も電話が切れてしまい、イライラ、イライラ。。。(結局、私が治せる“症状”ではなかったので、翌日その会社の人が大学にいらっしゃいました。)

 仕事中心の生活をしている私には、仕事上のしんどさを1つずつ解決していくのは不可欠だけど、しんどい理由~その3、その4・・・としんどい理由を次々に解決したところで、私が今感じるしんどさの根本は解決しないです。
 それは、延長保育、家事のアウトソーシング、医療費免除、手当ての拡充など、しんどさを取り除く支援がどんどん増えても、子育てのしんどさの根本は解決しないのと同じです。
 「しんどさを上回る楽しさや喜びがある」・・言うは簡単!!!

 私があまり落ち込んでいるので、東京に戻るはずのパートナーのSさんが京都に来てくれました。

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Date: Sun, 23 Jul 2006 19:46:55 +0900
To: fukami-××@ezweb.ne.jp
Subject: 名古屋出た

2023京都駅着。大学へ行こうか?
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 疲れ気味の私に、加奈さんも彼女が愛用するフラワーエッセンスというものを教えてくれました。

http://homoeopathy.co.jp/

■001/不満と怒り(Anger&Frustration)
私達の火のエネルギーのバランスをとり安定させ、自分の生活を適切にコントロールできるよう助けます。

■002/抑圧の子供時代(Childhood)
子供時代から閉ざされてきたエネルギーを開放するのを助けます。子供時代のパターンに閉じ込められている人に。

■003/混乱(Confusion)
人生が混乱し、何をすべきか明確に分からなくなっている時に。

■004/落込みと絶望(Depression&Despair)
否定的な思考パターンに閉じ込められた時や、深い絶望を感じている時に。

■005/恐怖(Fears)
恐怖は私達の生活の幅を非常に狭めます。このエッセンスは恐怖を取り去り、大いなる自由の中で生きられるよう助けます。

■006/悲嘆(Grief)
悲嘆や苦悩で深い苦痛を感じる時にはいつでも、非常に効果的です。

■007/束縛からの脱出(Liberation)
物や出来事、そして人々に対する感情的な執着を解くために。

■008/強迫観念(Obsession)
ある考えが頭の中をグルグルと回り、追い払えない時に。回転ドラムを走って回し続けるねずみのような感じ。

■009/防御と浄化
(Protection&Clearing)
否定的影響から守る助けをし、同時に精神を高揚させます。

■010/悲しみと孤独
(Sadness&Loneliness)
慰め、愛情、そして安心が必要な時に。新たな始まりを支えます。

■011/自己卑下(Self-Esteem)
力を奪われたように感じている人に。
他人に支配され、自己主張ができない時、自分を愛することから遮断されている時に。

■012/ショックとトラウマ
(Shock&Trauma)
突然の、または長期にわたるショックやトラウマに。

■013/マンネリの突破
(Stuck in a Rut)
周りの状況に進歩が阻害されている、または身動きがとれない、と感じている時に。

■014/平安(Tranquillity)
精神が過剰に興奮している時に平安を与えます。この現在に戻ることによって、自信をつけられるよう助けます。

■015/変換期(Transition)
人生の中で大きな変化が起きた時に。新しい方向に進むため、過去から去る必要がある時に。

■016/三位一体(Unification)
今までの制限された信条やパターンを打ち破るのを助けながら、心・体・魂を統一する手助けをします。

■017/陽(Yang)
その人の直感的な「陰」の側面とのつながりを強め、積極的な男性的パワーを育むよう助けます。

■018/陰(Yin)
Yang(陽)エッセンスと対応しています。
地にしっかりと両脚をつけ、個性の本能的知恵の側面を築きます。

■126/グラウンディング
 (Grounding)New!
しっかりと地に足をつけ、現在を生きることができるようボーっとした感覚をなくす手助けをします。


白いグランドピアノと茶髪

 7月14日
 ここ数日、京都の蒸し暑さは格別です。
 昨日の午後、あるピアニスト(正確にいうと、いろいろな事をやっていて、“ピアノも弾く人”)が、秋に予定しているダンスとのコラボレーションの打ち合わせのために、京都女子大にやってきました。京女に来て2年あまり、私がまだ使ったことがない学生ホールを使うことにしたので、下見に来てもらったんです。
 あるピアニスト・・・・なぜこんな回りくどい表現をしているかというと、その人が、自身のブログで私のことを"知り合いの電子楽器奏者のセンセ"と書いているのをさっき見たからです。(笑)。
 
猫松からのひとこと http://nekomatsu.exblog.jp/ 7月13日

 「打ち込みって、(中略)こんな面白い作業やってたら、時間がいくらあっても足りない!足りないどころか、仕事時間にも圧力をかけそうで、自滅しそう!?」と猫松さん。私が最近レッスンで電子楽器を使わなくなったのもほぼ同じ理由です。仕事時間を増やし、別の仕事時間に圧力をかけるからです。
 13歳でピアノをやめ、20代に4年間電子オルガンをやった私と、高校3年まで11年間電子オルガンを習い、19歳からピアノを始めた猫松さん。共通点はなさそうなんですが、電子楽器への思いは似ているかもしれません。

猫松さんのプロフィール
http://www.nekomatsu.net/profile/index.html

 京都女子大・学生ホールには、2002年製、KAWAIの白いグランドピアノがあります。学生が自由に入れるスペースのうえに、ピアノに鍵もかかっていないと聞き、ひょっとしたら鍵盤がジュースで汚れているかもと心配していたのですが、なかなか柔らかな、いい音がしました。「僕はKAWAI派です」と猫松さん。ピアノに関して“アンチヤマハ派”の友人は多いです。彼らにはどうも深いところで共通点があると思います。
 一歩世間に出ると、ピアノを使うだけで何万円もとられるし、ピッチを上げるのに比例して調律代もあがるという根拠の無い料金設定になっていたりすることもあるので、タダというだけでもありがたい!
 
 夜は、24時まで開店している四条河原町の美容院に。京都で最も力のあるピアニストの1人、Dさんもここに通っています。
 隣の席の若い女の子が「京女って、高校より授業多くてイヤになるわぁ・・」と担当の美容師さんに言っていました。その子は私が京女の先生だということを知らないみたいでした。授業が多いと、学生も大変だけど、教員も大変なんですょ。

 「そろそろ、教育実習や保育園実習があるから、“黒染め”にくる女の子たちが出るころですね。髪のためにもやめてほしいよ。一時的に黒にした後で茶色に戻しても、絶対にいい色の茶色にならないんですよ。髪も痛むし。」と美容師のTさん。
 “茶髪の実習生はNG”という学校や園が多いのです。
 大事なのは、ファッションと髪型とカラーが合っているかどうかなのに。
 子どもたちもいろいろな髪の色の人がいたほうが楽しいだろうし、親が“茶髪”なのに、保育士が“黒髪”だと、子どもには保育士は硬いくて恐そうな大人に見えてしまうのではないかな。
 実習生に“黒髪”を要求する幼児教育や子どもの教育のセンセたち、それほど元のままがいいのなら、白髪を染めるのはやめたらどうですか?