記事一覧

 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

最近読んだ本

 2月29日
 最近読んだ本を紹介します。
 東京藝術大学楽理科の一学年後輩である、佐藤望さんらが書いた「アカデミック・スキルズ―大学生のための知的技法入門」。慶應大学の学部生を念頭に置いて書かれたもののようですが、大学院生にも、また卒論、修論指導をする教員にも参考になると思います。
 大学院の演習で読み、書かれてある事柄をそれぞれ自分の状況に照らし合わせて考えてみるという風にしたところ、頭の中がかなりクリアになったみたいです。来年度は学部のゼミ生たちにも勧めることにしました。
 
 もう一冊は、中退した大学、東京医科歯科大学で同期だった入来篤史さんが書いた「研究者人生双六講義」。私は30年前の彼の姿を少しだけ覚えています。理科系の研究と、私のような音楽教育の研究では手法は異なると思うのですが、p.43に、(論文において)図や表などによって表示する際、初心者がまず注意すべき幾つかのコンセプトとして、同じデータを表と図の両方で重複して提示するのは禁物、と書いてあったのは気になりました。  
 私は最新の論文で、同じデータを表と図の両方で説明してしまいました。ダメなのかな。
---------------
 そこで、この仮説を元に表1を分析する。2007年度も映像提出回数が1、2回の学生については2006年度とほぼ同じ傾向がみられる。ただし、標準偏差は2007年度の方が値が大きくなっていることから、2007年度は学生の実力のばらつきが大きいことも伺える。映像提出3回目以上の学生については、2007年度の方が平均点が2.7~5.0点高く、標準偏差も小さい(6.63、5.82)ことから、成績に加算しないという条件下でさえ自主的に映像提出を3回以上行った学生は高得点が得られたことがわかる。
 グラフにしてみると、さらに結果は明瞭になる。図1は、映像提出回数、全体に対する提出者の割合、期末実技試験の平均点の関係を示したものである。棒グラフは映像提出回数―提出者の割合を、折れ線グラフは映像提出回数―期末実技試験の平均点の関係を表している。は2006年度、は2007年度分の結果である。
---------------


論文発表会

 2月12日
 昨日は久しぶりに東京藝術大学に行き、音楽教育専攻の修論・博論発表会を聞きました。
ファイル 248-1.jpg
大名屋敷のような音楽学部校門 ▲クリックすると拡大します▼

 特に博士課程を修了する中西沙織さんの論文「能における「わざ」の習得に関する研究 事例分析からの学習プログラムの開発を通じて」は素晴らしい内容で、刺激を受けましたが、全体的には目新しさはなく、大人しい印象でした。
 上野駅から東京駅に出て京都に戻り、きょうは、京都女子大児童学科の卒業論文発表会。前日の発表と比べて聞いてしまいましたが、正直言って私のゼミ生たちもなかなかやるわ~と思いました。夜は、三条のどんかまで打ち上げ。彼女たちは飲み放題で2980円でも、センスが良く、それなりの店を選別していて、勉強になります。
 修士を修了してから17年。電子楽器を研究していた私が次に富山大学で教員養成の仕事をして、保育士・幼稚園教諭養成の仕事に移って4年が経ち、そろそろ次のステージにシフトしたいなぁと最近強く思うようになりましたが、京都女子大の児童学科の学生からもらえるエネルギーは捨て難いです。


諸行無常

 1月30日
 私は東京医科歯科大学の歯学部を中退し、25歳になったばかり春、東京芸大に入りなおしました。
 http://www.ongakukyouiku.com/intro.html
 40歳頃まで、社会に出るのが出遅れてしまった焦り、失った歳月への後悔で押しつぶされそうでした。自分は育てないという約束で子どもを産んだのも、これ以上遅れたくないからでした。
 私が大学を出たのは29歳、子どもを産んだのは32歳です。社会で自分の力を試したいと思っている女性が、22歳で大学を出て25歳で結婚するか、ましてや子どもを産むかとなるとNOでしょう。
 焦りや後悔で一杯だった私をさらに追い込んだのが、「歯医者になっていれば儲かったのに」という周りの言葉でした。でも、時代は変わったようです。歯科医師をしている友人から今の状況を聞いていましたが、これほどまでとは知りませんでした。
 今の状況を必要以上に嘆かないことが必要ですね。最近、後悔や失望が続いている私は気を取り直すことにしました!
-----------------
歯科医に広がるワーキングプア
1月23日18時19分配信 医療介護情報CBニュース

歯科医療に対する患者の要望(「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の冊子を基に作成)

 産科・小児科・救急医療を中心に「医療崩壊」が各地で社会問題化する中、歯科医療がより危機的な状況にあえいでいる。2000年以降の相次ぐ診療報酬のマイナス改定で医療機関の経営が全体的に悪化したばかりでなく、歯科では73項目にわたる保険点数が20年間も据え置かれていることが影響している。歯科医師や歯科技工士らに支払われる診療報酬は先進国に比べ極めて低く、歯科医師の5人に1人が年収300万円以下、歯科技工士の3人に1人が200万円以下のワーキングプア状態に置かれているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000002-cbn-soci


Christmas Mini Live

 12月22日
 きょうは、早稲田の音楽教室、ミュージック・ラボの子どもたちのクリスマス・ミニ・ライヴ。
 螺旋階段を下りて子どもたちと家族が集まってきました。
 みんな短い曲を一曲ずつ演奏。演奏順は先生たちも含めて、抽選で決めました。
 男女の関係などと比べると、私は音楽教室に対して強烈なポリシーはありませんが、強いて言えば、生徒さんの能力や年齢によらず、教師によらず、同一の月謝であること。これは、1992年の開業当時から変わりません。
 他の教室のように、生徒のレベルが上がるごとに月謝があがるというやり方をとらないことによって・・・・(教師側の)最も手のかかる幼児に対する労働の対価を大きくし、(生徒さん側には)長期間レッスンを続けると有利なレッスンを実現する。
「教師によらず」については、ベテラン教師には「慣れ」というものと引き換えに「新鮮さ」が落ちてしまうためです。
 その結果、おそらく高校生や社会人で趣味の域を超えた生徒さんたちのレッスン価格は、東京区部では最低レベルのはずですよ。

ファイル 234-1.jpg
螺旋階段

ファイル 234-2.jpg

ファイル 234-3.jpg


石の上にも3年

 12月21日
 きょうで年内の大学の仕事が終わりました。
 秋以降私が行ったコンサートは、11月14日水曜日の「あいのてさん」のライヴだけでした。このままでは自分が枯れていく・・・・。

ファイル 233-1.jpg 

 ちょうどコンサートの2日前、同じ学科の准教授が急に他大学に移ることになり、その後任人事に関してさまざまな雑務をしなければならなくなったのです。まぁ、雑務はそれだけはなく、他にも山盛りあるんですけど・・。
 ライヴがあった水曜日、教授会でこの先生の教授昇格の投票が行われるところでした。私を含めた4人のメンバーが、この方の業績を資格審査をしました。専門外の私は学科主任なのでメンバーに入っているだけでしたが、後の3人の先生はいろいろとこの方から提出された資料を読んで時間を費やし、報告書を作ったのです。その報告書を教授会が承認をするかしないを決める2日前の・・・
 「他大学に移ります!!」。
 人材流動の時代ですから、移動するのは人の自由ですけど、結局、この准教授からその後「ご迷惑をおかけしてすみません」の一言もありませんでした。この方は、家庭裁判所の仕事を長い間してきた方で、苦境に陥っている多くの人たちだけを見てきているはずなんですけどね。
 こういう事を書くと、世間では誹謗中傷したということになるらしいですが、これは正しい批判です。。
 結局、この先生は2年しかうちの大学にいませんでした。ポストと業績のミスマッチがあり、この先生にとっても困惑した2年間だったかもしれません。“石の上にも3年”なのに・・・。さまざまな思惑が交錯しがちな大学人事。私には所詮人事=ヒトゴトです。


とりあえず、、は結構です

 11月4日
 2日にわたった児童学科主催の「こどもひろば」が無事終わりました。こういうイベントをすると、若い学生たちのアイデアやエネルギーが一杯もらえるので、しんどいけれど楽しいです。
 http://www2.kyoto-wu.ac.jp/gakubu/cgi/detail.cgi?news_id=24

 打ち上げでは、カクテルが数種類とウーロンティーがピッチャーで出てきて、乾杯!
 私はビールが嫌いなので、「とりあえずビールで」なんて言われると、いつもムカっと来ていましたが、とってもいい傾向です。
 
ファイル 226-1.jpg
京都・河原町三条で打ち上げ
▲クリックすると拡大します▼


科研の申請書完成しました!

 10月25日
 ご飯を食べても科研。
 お風呂に入っても科研。
 会議中も科研・・・。
 ずっと科学研究費補助金の申請のことが頭から離れなかったこの10日間。今朝日本学術振興会に電子申請しました。
 ちょっと一杯やりたい気分です! 
 申請を出さなければ通常の研究費を減額されるというペナルティがあり、出していない先生のリストを教授会で配布していた以前の大学(富山大学)と違って、今の京都女子大は出さない先生も多く、特に発達教育学部は出さない人が大多数なんですが、出すことさえしないのは、研究者としては失格だと思いますよ。研究をするためには、お金が要りますもん!
 奥忍さん(岡山大学教授)は、理科系のようになかなかスイスイとは受からない音楽分野の人たちに対して、「科研申請のしおり」を作っています。本当に素晴らしい人です。私は・・・受かるコツはやっぱり秘密にしておきたい。。。
 平成11年度に初めて応募して以来、5戦4勝の私。果たして、6戦5勝になるか、6戦4勝で終わるか。審査結果が発表される4月中旬です。

ファイル 223-1.jpg
▲クリックすると拡大します▼
 


秋の夜長、科研申請と格闘中

 10月18日
 秋は行事が山盛り!!!
 http://www.ongakukyouiku.com/news.html
 そのうえ、5日前から平成20年度分の科研費申請書を書き始めました。
 http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html
 申請書は全部で15枚。「研究目的」2枚をちゃんと書くことができれば、後は比較的オートメーションなんですが、その2枚、たった2000字を書くのが大変です。
 月曜日と火曜日は、ノルマを片付けて、申請書作りに取り掛かかれたのが深夜1時頃。4時過ぎまで頑張りましたが、考えれば考えるほどまとまらない。
 昨晩は悪戦苦闘の末、寝ようとしたら鍵がない!朦朧として鍵をゴミ箱に捨てていたんです。夜が明けてしまいました。
 きょうの午後は続きをスターバックスでやろうとノートパソコンを持って出かけたら、USBスティックがない!家に置いてきてしまいました。
 夜、新幹線のなかでモニターを凝視し続けたら、酔ってしまいました。そして、ついに不眠症再発!!

 科研の申請は、私にとって中国産の食べ物より体に悪いです。
----------------
平成11・12年度 科学研究費助成金・基盤研究C-2「パソコン・ネットワークによる音楽活動支援システムの構築」

平成13・14年度 科学研究費助成金・基盤研究C-2「ウェブサイト『音楽室』環境の確立と教育効果の実証」

平成15・16年度 科学研究費助成金・基盤研究C-2「ウェブサイト音楽教育情報の有効活用に関する研究」

平成18・19年度 科学研究費助成金・基盤研究C-2「教員・保育者養成のためのピアノ実技e-ラーニングコースの設計と開発」


老眼、やばい!

 9月24日
 19日から後期の授業が始まりました。
 きょうはハッピーマンデーだというのに授業がありました。月曜日開講の授業だけが休講ばかりになってしまうので、ハッピーマンデーに授業をする大学が増えているんです。国民の祝日なのにね・・ため息。
 
 月曜日の4時間目は、2年前から非常勤講師で来てもらっている作曲家、岡田加津子さんとのコラボの授業です。
 
 私が東京藝大の大学院生だったとき、岡田さんは音楽教育研究室の助手をしていました。今も昔と変わらず才色兼備な女性で、昔よりもスレンダーです。
 「あの頃、深見さんはまだ20代だった?」「いえいえ、私が大学院に入ったのは31歳。もうかれこれ20年近く前ね・・」
 この会話を聞いていた学生たちは2年生だから、だいたい20歳。あの頃、生まれたんですね。
 出席簿を見て、「出席番号1番の赤堀さんから、出席番号56番の丹下さんまで」と言ったら、学生たちがクスクス笑うのです。赤畑さんなのに赤堀さんと、丹治さんなのに丹下さんと読み間違えていました。
 ここ数年、細かな字が読みにくくなり、よく読み違えるようになりました。20年あっという間だったけれど、体は徐々に老いてきました。イヤだな・・。


フロアには音楽関係者が1人もいない学会発表

 9月22日
 早稲田大学人間科学部(所沢キャンパス)で開かれた日本教育工学会第23回全国大会(授業設計・実践(2))での口頭発表をしました。私にとって2007年秋・冬のイベントの第一弾。平成19年度科学研究費補助金基盤(C)研究「教員・保育者養成のためのピアノ実技e-ラーニングコースの設計と開発」(課題番号18500742、研究代表者 深見友紀子)の成果発表です。

 当日のプレゼンテーションhttp://www.ongakukyouiku.com/kyotowu/recent/edeng2007/23th_fukami.ppt

 日本教育工学会で発表するのはこれで4回目。この学会では音楽教育関連の発表は皆無に近く、オリンピックにただ一人選手を送り込んだ新興国のようで全然目立たないですけど、音楽教育や保育、ピアノ教育の集まりなどと発想が違うから私にとっては面白いです。
 ピアノの先生たちが集まるとピアノの話ばかりだし、保育も音楽教育もしかりですが、ここでは、eラーニングによって匠の技術をどのように学べるかという視点からピアノの演奏技術を見ることができるし、自己評価、ポートフォリオ、ブレンデッドラーニングなどといったさまざまな視点から音楽指導を考えることができるんです。私がピアノ教師らしくない、児童学科の教授らしくないといわれるのは、たぶんそうした志向のせいだと思います。どっぷり主流の世界に浸かっている人たちとは違う景色を私は1人寂しく見ています(笑)。

 研究協力者の中平勝子さん(長岡技大助教)が、学会長の赤堀 侃司さんが最前列で私の発表を聞いてくれたことや、鈴木克明さんがフロアにいたこと、中原淳さんが途中から入ってきたことなどに興奮していました。
 赤堀さんしか知らなかった私は、帰宅してからこれらの方々のサイトを見て、自分の知識の乏しさを実感して惨めになりました。
 もっともっと勉強する時間が欲しい!!